大学生らが死亡した長野・軽井沢町のスキーバス事故で、長野地裁は、運行会社の社長ら2人に禁錮3年から4年の実刑判決を言い渡した。

軽井沢バス事故で社長らに実刑判決

長野県軽井沢町で大学生ら15人が犠牲となったスキーバス転落事故の裁判。

この記事の画像(13枚)

6月8日長野地裁は、運行会社社長ら2人に禁錮3年から4年の実刑判決を言い渡した。

2016年1月、軽井沢町の国道でスキーツアーのバスがカーブを曲がりきれずに道路脇に転落。

乗客の大学生と運転手ら15人が死亡した。

この事故で、業務上過失致死傷の罪に問われたのが、都内のバス運行会社「イーエスピー」の社長・高橋美作被告(61)と、当時の運行管理者・荒井 強被告(54)。

今回の裁判で最大の争点となったのは、事故を予見できたかどうか。

これまでの裁判で検察側は「運転手は大型バスの操作に不慣れで、事故の可能性は予見できた。被告たちは運転手の技量を把握・確認する義務を怠った」などと主張し、それぞれ禁錮5年を求刑。

一方、被告側は「フットブレーキを踏まないなど初歩的な運転操作のミスは予想できなかった」などとして、無罪を主張してきた。

注目の裁判は午後2時に開かれ、運行会社の社長・高橋被告に禁錮3年、

当時の運行管理者・荒井被告に禁錮4年の実刑判決が言い渡された。

裁判長は判決で、「(高橋被告らは)運転手が大型バスに不慣れなことを認識し、事故を予見できたのに、未然に防ぐことを怠った」などの判断を示している。

遺族が会見「息子は二度と戻ってこない」

判決後、遺族が会見に臨んだ。

当時19歳の娘を亡くした池田 彰さん:
裁判始まって、冒頭に近いところで実刑ということを聞いて、遺族の思いが伝わったんだなというのが正直なところです。

当時19歳の息子を亡くした大谷慶彦さん:
亡くなった息子・陸人は戻ってこない。我々家族の前には、二度と戻ってこないことは事実です。バス事業者だけでなく、お客さんを乗せる事業者に対して、ある程度警鐘になったのではないか。

当時19歳の次男を亡くした田原義則さん:
安全安心なバスの運行と、利益ではなく安全最優先の会社経営に少しでもつながればと願う。判決を聞いてそう思いました。

(「イット!」6月8日放送より)