「牛乳」を購入するとき、皆さんは何に注目しているだろうか。編集部で話を聞くと、“値段”に注目している人が多く、安い商品を選んで購入しているという人がいた。

しかし、たくさん並んでいる中から購入した商品のパッケージをよく見ると、「乳飲料」「加工乳」と書かれているものもあり、「これも牛乳なのか?」と思ったことはないだろうか。

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実は店頭に並ぶ商品には、「成分調整牛乳」や「成分無調整牛乳」、「低脂肪牛乳」など種類もさまざま。何がどう違うのかわからず、どれを購入すればいいのか困ってしまうことも。

「種類別名称」で「牛乳」とあるものが牛乳

多くの商品がある“牛乳”で、自分が求めているものはどれなのか? 知っておきたい種類や違いを、一般社団法人北海道乳業協会に話を聞いた。


ーー“牛乳”にはどんな種類があるの?

「種類別名称」に記載されて“牛乳類”といわれるもので、「牛乳」「成分調整牛乳」「低脂肪牛乳」「加工乳」「無脂肪乳」「乳飲料」等に分かれます。これらは脂肪分・添加物・処理方法等で分かれます。これらは牛乳容器裏面の枠内に記載されています。

イメージ(提供:株式会社 明治)
イメージ(提供:株式会社 明治)

ーーそれぞれどう違うの?

【牛乳】
成分無調整牛乳のことで無脂乳固形分8.0%以上乳脂肪分3.0%以上のものをいいます。(何もしていない殺菌だけのものです)

【成分調整牛乳】
牛乳から成分(水分・乳脂肪分)の一部を除去したもの、無脂乳固形分8.0%以上のもの(一般に乳脂肪2.0%~2.5%に調整したものをいいます。)

【低脂肪牛乳】
無脂乳固形分8.0%以上乳脂肪分0.5%~1.5%としたもの

【無脂肪乳】
無脂乳固形分8.0%以上乳脂肪分0.5%未満としたもの

【加工乳】
無脂乳固形分8.0%以上で乳成分(脱脂乳・生クリーム・バター等)を加え調整したもの(一般的には「特濃」「低脂肪」等として販売されております。)

【乳飲料】
乳固形分(牛乳から水分を除いた全栄養成分)3%以上で他の成分を添加されたもの。一般的にはカルシウム・鉄分強化、コーヒー、果汁等添加されたもの。

※乳脂肪分=牛乳中の脂肪分
 無脂乳固形分=乳固形分から乳脂肪分を除いたもの

“牛乳類”の種類
“牛乳類”の種類

ーー全て“牛乳”なの?

牛乳のパック裏面の枠の中に書かれている「種類別名称」で「牛乳」と書かれているものが牛乳です。これは「乳等省令」で決められており、無脂乳固形分8.0%以上乳脂肪分3.0%以上のものをいいます。

“乳脂肪”によって変わる飲み心地

ーー成分調整と成分無調整は具体的にはどう違うの?

一般的には「乳脂肪」の違いによります。これにより成分調整牛乳は、軽い飲み心地となり通常の牛乳よりあっさりとしています。一般の低脂肪(1.0%~1.5%)より牛乳の味に近く、脂肪を取りたくない方に適しています。海外では乳脂肪2%~2.5%が多くあります。なので味は、乳脂肪の量によって風味が変わります。成分調整牛乳のほうがあっさり感じます。

ーーどんな人にどの“牛乳”がおすすめ?

牛乳(成分無調整)自体は優れた栄養食品であるため、どなたでも。濃い味が良ければ通常の牛乳(成分無調整)を、もっと濃いものが好きであれば特濃牛乳(加工乳)を、軽いものが良ければ成分調整を、無脂肪・低脂肪牛乳は脂肪を取りたくない場合。乳脂肪を取りたくなければ低脂肪牛乳がおすすめです。

牛乳パック側面の成分表
牛乳パック側面の成分表

“牛乳”といっても、成分によって味が変わることがわかった。牛乳本来の味を楽しみたいという人は「成分無調整牛乳」を選ぶと良さそうだ。違いを知って、ぜひ自分好みの商品を選んで牛乳を楽しんでもらいたい。

(イラスト:さいとうひさし)

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プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。