ブルーインパルスが”感謝”の飛行

5月29日、青空に白いスモークをたなびかせ、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が東京都心の上空を飛行した。

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新型コロナウイルスと闘う医療従事者らに「敬意と感謝」を示すための飛行は、約20分間と短いものだったが、医療従事者のみならず多くの人を元気づけた。

スマートフォンで撮影する人、手をふる子ども…青い空をバックに飛行する編隊に、都内各所で歓声があがった。

埼玉県の入間基地を飛び立ったブルーインパルスが、都心に到着したのは12時40分過ぎだった。板橋から上野公園、浅草、東京駅、五反田、新宿など、都心の上空を8の字を描く形で2回まわった。陽性患者の治療にあたる病院の上空も飛行ルートになっていた。

報道カメラマンとしての「エール」

ブルーインパルスの飛行が決定されてから、医療従事者と共に様々な形でコロナに向き合う全ての人に、「感謝とエールを、映像で伝えよう」と決めていた。

 医療従事者への感謝を示すため、映像表現のプロとして、私たちにできることが何かを考えた。

その答えは、より多くの場所でより多くの人々の表情を撮影することだった。 コロナ禍の生活の中で、空を見上げる人々の「それぞれの思い」を撮影しようと考えた。 

しかし、いつ、どこで生まれるか分からない場面を、どのように捉えたらいいのか。そういったことを頭に中で巡らせながら、“出会い”を狙って、私たちカメラマンは街に散らばった。

子どもから年寄りまで目を輝かせていた

空に白い線を引く機影を、病院の窓から見上げる医療関係者。台場や銀座、荒川の河川敷に集まる人たち。人々の素の表情やリアクション、思いを捉えようと、様々な場所で撮影にあたった。

私は都内の公園で、別の取材の最中だった。

音が徐々に近づいてきて、機影が見えた途端、辺りにいた子どもたちが一斉に空を指差し、歓喜の声をあげた。あまりにもうれしそうな表情を見せているので、その様子を撮影した。子どもたちから自然に溢れ出た“素”の反応を捉えることができた。

撮影に当たったカメラマンたちは、「空の下で、皆の思いがひとつになっている」と感じていた。

取材後、本社に集められた映像には、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層の人が目を輝かせて喜ぶ多くの表情が捉えられていた。

私たちの見えないところで人の命と日々向き合っている医療従事者、我々の生活を支える人たち、そしてブルーインパルスのパイロットに、私たち報道カメラマンの思いが、映像と共に届けば幸いである。

動画編集:石黒雄太 
執筆:熊手隆一 
撮影:ブルーインパルス撮影チーム