私がお伝えしたいのは「特別警報の仕組み」です。
列島を縦断した台風14号。
鹿児島県には台風による暴風などの特別警報が出され、宮崎県には大雨の特別警報が発表されました。
共に台風による災害の切迫さを呼びかけるものですが、大雨特別警報が雨量などの基準で発表されるのに対し、台風による特別警報は、台風の強さと進路で決まります。
ポイントはこちら。「2種類の特別警報、何が違う?」注目です。
【注目ポイント・記者解説】
台風14号では、鹿児島県に17日夜、「台風による特別警報」(「台風等を要因とする特別警報」)が発表され、宮崎県に18日午後、「大雨特別警報」が発表されました。
2013年の運用開始以降、沖縄県以外で「台風による特別警報」が発表されるのは初めてです。
「台風による特別警報」には、暴風・高潮・波浪の3種類があります。
基準は沖縄県などを除き、中心気圧が930hPaより低い場合もしくは最大風速が50m/s以上の勢力のまま、台風の中心が接近・通過する地域=予報円に入る都道府県に対して12時間前をめどに発表されます。
予報円に入る都道府県の暴風・高潮・波浪警報はすべて特別警報として発表される仕組みで、台風の接近前に避難を促すことが大きな目的といえます。
一方、「大雨特別警報」は過去に甚大な被害をもたらした災害の指標と比べて、雨の量や地面にたまった水の量が基準を超え、さらに今後、1時間に概ね30ミリの激しい雨が降り続く場合などに発表されます。
したがって「大雨特別警報」が発表された地域では、災害がすでに起きている可能性が高く、直ちに命を守る行動を取ることを促す目的があります。
今回の台風14号は、当初の想定よりも急速に発達し、列島を縦断する形となりました。
気象庁の担当者は、大型の台風の発達の予測は難しいとも説明していて、いずれにしても特別警報が発表される前に、警戒・準備を整えて身の安全を確保することが重要となります。
(フジテレビ社会部・柴木友和)