「手作りシルクマスク」に挑戦中!

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、マスクの需要が高まっている現在。

通称“アベノマスク”の全世帯への配布も始まり、また様々な企業や団体が市区町村へマスクを寄贈したりと、以前に比べて深刻なマスク不足は解消されつつある。しかし、それでも近所のドラッグストアでは相変わらず売り切れ…という人もまだまだいるはず。

キッチンペーパーなどを使った使い捨てマスクや、洗濯して繰り返し使うことのできる布マスクなど、工夫を凝らした「手作りマスク」で乗り切っている人も多いだろうが、そのような中、思わず「その手があったか!」と言いたくなるアイデアがtwitterに投稿され、話題となっている。
 

「『マスクをつくる!』とカイコを飼い始めた息子氏。キヌノマスクが完成するのはいつになるだろうか…」

投稿をしたのは、中国・上海で大学の教員をしている服部素之(@HattoriM)さん。なんと、5歳の息子さんが、蚕の繭から絹糸を取り出し、アベノマスクならぬ“キヌ(絹)ノマスク”を一から手作りするというアイデアを実行中だというのだ。

5月9日に投稿された写真を見てみると、箱に入れられた蚕たちが桑の葉を食べている様子が分かる。

(画像:服部素之(@HattoriM)さん)

そのわずか1日後には「カイコのうち一匹が糸を吐いて繭を作りはじめました!」と報告があり、さらに飼育4日目となる5月11日には3匹が繭の姿になるなど、順調な育成日記がつづられている。

(画像:服部素之(@HattoriM)さん)

Twitterユーザーからは「本物の手作りとは、こういう事を言うのか!」「天然の不織布!」「シルクのマスクなんて、肌触り最高でしょうね」と驚きの声が続々寄せられ、たちまち2万件を超える「いいね」がつくなど注目の挑戦となったこの投稿。(5月13日現在)

手作りマスクが注目されるにつれ、材料となるガーゼやキッチンペーパーまでもが不足する中、作りたくても作れない!という人も多いだろうが、まさか原材料から手作りするというアイデアはなかったはずだ。

早速、この挑戦について、投稿者の服部さんにお話を聞いてみた。

「糸を作るためには、繭を…」お父さんにも大きな課題が?

――「マスクを作るために蚕を飼う」と言われたときは、どう思った?

年の割にしっかりしてるな。がんばれ!という感じです。


――蚕はどこで入手した?

上海在住で、近くの市場(農家の人が直接農作物等を売っている)で買えました。


――息子さんは、蚕のどんなお世話をしているの?

夜と朝に葉を足すのと、2日おきくらいに掃除をしているようです。
 

5月13日の様子。7匹が繭に…

服部さんによると、蚕の糸でマスクを作るアイデアは、市場で蚕を見た息子さんがその場で思いついたとのこと。

5月13日にはとうとう1匹を残して立派な繭が完成。繭ができてから3、4日ほどでいよいよ糸を取り出す作業ができるようになるというが…実はこのチャレンジには、大きな課題が残されていた。


――今後いよいよ繭からマスクを作る工程ですが…

当初は深く考えていませんでしたが、調べた限り、まずは糸にするために繭を茹でる必要があるとのことで、その話をまだ息子にはしていません……ショックを受けそう……


蚕の繭から糸を取り出すには、繭を鍋などでグツグツと煮た後、お湯の中でふやかすことが必要となるため、繭の中の蚕(サナギ)は死んでしまう。

リプライ欄でも「繭を茹でる作業が待ち受けている…」と心配する声が挙がっていたが、仮に繭を切ってさなぎを取り出すと、ぐるぐると巻いた糸を断ち切ってしまうことになり、うまく糸を取り出せなくなってしまうというのだ。

マスクを作りたい!という息子さんの思いから始まったこのチャレンジだが、この事実をどう伝えるか…という課題が追加され、お父さんにとっても一大チャレンジとなっているようだ。

糸を取り出すにも、大きな壁が…(画像はイメージ)

一方、投稿を見たユーザーからは、繭を煮て糸にするのではなく「繭を水中でほぐして平たく延ばしたものを沢山重ねれば布状になるので、そのままマスクに加工出来る」という情報も寄せられている。

繭から糸がきれいに取り出せても、丈夫な糸を作るためには数本を束ねてより合わせる必要があるため、マスクを作るには少々足りないかもしれない。

だが、サナギは繭から取り出してしまってもそのまま成虫になることができるそうなので、蚕たちを一生懸命お世話してきた息子さんには、もしかしたらこちらの方法がぴったりかもしれない。


――投稿には大きな反響がありましたが、感想をお願いします。

子供の行動に対して好意的な反応が多くて嬉しいです。


いまだマスク不足の不安ムードが漂う中、一から作ってしまおう!という斬新な、そして思わずクスリと笑ってしまう“キヌノマスク”チャレンジ。どんな素敵な手作りマスクが完成するか、出来上がるまで目を離せない。

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