政府は持ち回り閣議で今年度の補正予算を改めて決定した。

安倍首相が新型コロナウィルスの感染拡大で生活に困っている世帯への30万円の給付を撤回し、全国民に一律10万円を配る特別定額給付金12兆8803億円を計上したため、一般会計の総額は16兆8057億円25兆6914億円に広がった。

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差額は赤字国債の発行額を増やして調達する。
 一方、安倍首相は自民党の役員会で、全ての閣僚が現金10万円の給付を辞退する方針を示した。自民党も所属する全ての国会議員が受け取りの申請を行わない方針を固めた。

その給付金10万円を受け取る手続きも発表された。
まず、給付される対象は今月27日の時点で住民基本台帳に記録されている全ての人。
手続きは、市区町村から申請書が送られてきて、それを送り返す方法。
マイナンバーカードを持っている人はオンラインでも申請が可能。 期限は市区町村が設定する受け付け開始日から3ヶ月以内。

申請書には、世帯主の氏名、生年月日、現住所を記入。
続いて給付を受ける家族の名前を書く。3人家族の場合、合計金額は30万円。
受け取り方法は、指定の金融機関の口座を書き、家族分の合計金額がまとめて振り込まれる。

一方、給付を希望しない人にはチェックをする欄も設けられている。
給付の時期について高市総務相は人口の小さい市区町村などは5月から可能なところもあるとしている。

三田友梨佳キャスター:
5月から可能なところも、ということですが、萱野さんは政府に何を求めますか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
スピード感を持って進めて欲しいですね。ただ補正予算が国会で成立したとしてもすぐに現金給付がなされないという現実もあります。なぜ給付に時間がかかってしまうのか考える必要がある。それを政治の仕組みの見直しに繋げていく必要もあると思う。

三田友梨佳キャスター:
見直しはどんなことがポイントとなりますか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
まずやはり発想を変えること。これまでは住民基本台帳にしてもマイナンバー制にしても行政を効率化すると政府による国民の管理が強化されて個人の自由が制約されるという議論が非常に強くありました。両者は対立すると見なされてきました。しかし今回国民に素早く現金が届く仕組みがあれば、国民の生活が支えられて結果的に個人の自由も補償されるという図式があります。つまり行政を効率化することで国民の自由がより確かな物になるという発想の転換が必要だと思います。

三田友梨佳キャスター:
具体的にはどう行政の効率化を進めるべきだと思いますか?

津田塾大学・萱野稔人教授:
例えばドイツでは現金給付がなされましたが、申請から2~3日で入金されているというようなニュースもあります。なぜ可能かというと定住している外国人も含めて全ての住民に番号が付与されていて口座番号にも紐付いている。これは日本にも参考になる仕組みだと思います。

三田友梨佳キャスター:
この給付金についてはすでに詐欺メールなども広がっているようです。総務省もATM操作をお願いすることはないと呼びかけていて、十分な注意が必要です。

(Live News α 4月20日放送分より)