去年1年間に、ペットを捨てたり、劣悪な環境で飼育するなど「動物虐待」で摘発されたのは170件にのぼり、過去最多だったことが分かった。警察庁が、きょう午前、発表した。

去年1年間に、全国で、動物愛護法違反容疑などで摘発されたのは170件にのぼり、過去最多となった。おととしの摘発件数(102件)から大幅に増えた。

検挙された事件の中で最も多かったのは、飼っていたペットを捨てるなどの「遺棄」で81件だった。続いて餌を与えなかったり治療をしないなどの「虐待」が48件、動物に危害を加える「殺傷」が41件だった。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛により、ペットを飼う人が増え、その結果、捨てられるペットも増えた可能性もある。

具体的には、長野県内で400匹以上の犬を劣悪な環境で飼育して衰弱させるなどした業者が摘発された他、千葉県で男が空気銃を使い猫6匹が殺傷した事件があった。またゴミ集積場に捨てられていた動物が見つかり、遺棄事件が発覚したこともあった。

被害を受けた動物別にみると、最も多いのが猫で95件、続いて犬が60件。その他に、馬、いえうさぎ、鶏、フェレット、モルモット、熊、猿、インコ、カメが虐待されるケースも明らかになった。

動物愛護法をめぐっては、おととし改正され、罰則が引き上げられるなどした。近年、動物虐待事はが増加傾向にあるが、動物愛護に対する関心が高まっている影響で、警察への通報が多いことが増加の一因とみられている。(画像は、長野で起きた犬虐待事件のものです)

社会部
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尾瀬真澄
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