国内で最悪40万人が死亡するおそれ

クラスター対策班 北海道大学 西浦博教授:
大変、重大な局面にさしかかっているので、いまのままの状況が続いているのはまずい

「いまのままでは、まずい」と、国民に警報を鳴らしたのは北海道大学の西浦博教授。国内の感染拡大を防ぐ為の対策を検討・実施する厚生労働省・クラスター対策班メンバーの一人だ。

4月15日、記者説明会を開き、まったく感染防止対策をしない場合の、“最悪のシナリオ”を明らかにした。

クラスター対策班 北海道大学 西浦博教授:
重篤患者数というのが、15歳~64歳で大体20万人程度、高齢者で言うと65万人程度になるので合計すると85万人程度…

感染者1人から感染させる人数を、海外の例を基に2.5人で想定した場合、国内で約85万人が重篤化すると説明。さらに…

クラスター対策班 北海道大学 西浦博教授:
人工呼吸器の台数が1万3000台くらいです。流行を丸腰で受けてしまうと、重篤患者数というのが、今手元にある人工呼吸器の数を超えてしまう

人工呼吸器が不足し、重篤患者の半数にあたる40万人ほどが死亡する恐れがあるとした。

向かい合って食事するリスク

一方、西浦教授は「人との接触を8割減らす事が早期収束につながる」と、改めて強調。その接触について…

クラスター対策班 北海道大学 西浦博教授:
会話をしてセンテンスを取り交わしている接触であったり、あるいは体を触れあうようなボディタッチの接触、肩をぽんってされてもボディタッチなわけです。

と説明。また、唾液から検出されるウイルスの量が多いことに触れた上で、感染リスクが高まる行為についても

クラスター対策班 北海道大学 西浦博教授:
2m以内の距離で30分以上にわたって時間を共有して会話をしたというような接触、そういった場で向かい合って食事をする事のリスクを皆さんで認識していただきたいんです。海外で報告されていますけど、向かい合って食事をして30分以上共有しただけで感染が成立している事例があるけど、向かい合って飛沫が食事とかに落ちるわけです

と注意を促した。

さらに、今の日本の現状について、こう述べた。

クラスター対策班 北海道大学 西浦博教授:
いま、積極的に接触を減らさないといけない段階で、普通に皆さんが出社されている状況は異常なのかなと私は認識していて、心配している

説明会後、FNNの取材に応じた西浦教授は改めてこう注意を促した。

クラスター対策班 北海道大学 西浦博教授:
ハイリスクの場が全て絶たれていないというのは大変危険な状態と思っている。例えば、飲食店って言うのは家賃とかあるので、なかなか自粛して休業はできない、ちゃんと補償を伴った政策を講じれば、そこは手を打つことで二次感染で防げる、防ぐことができるはず。そういう所で二次感染が起こっていることが明確ならば、そういう所から手を打っていくというのが本当は科学的には最も支持される対策…

「2m以内30分以上」は高リスク

人との接触を8割減らすために、私たちの生活で気をつけなければいけないこととは?

西浦教授は接触の定義をいくつかあげている。

1・人と人が2、3回会話のやりとりをすること。

2・ボディタッチ

3・一つのものを共有すること


などだ。

そのうえで西浦教授は、人と接する場合、2m以内の距離で30分以上にわたり時間を共有して会話をすることが、感染リスクが高まるという認識を示している。

2mは大体ベッド一台分の長さなのだが、この2m以内だと、自分の飛沫が相手に届く恐れがあるためだ。

ジョギングはOKだが…

日常生活で気をつけなければいけないこととしては…

1・公園で子供を一人で遊ばせる分には問題ないが、その近くで親同士が近距離で会話をすることは危険

2・ジョギングは数人では大丈夫だが、必ず距離をあけること。しかし、ジョギング後に意図せず長時間の会話になることがあるので、注意が必要

3・電車通勤はやむを得ずする場合、時差通勤や出勤日を減らすなどの工夫が必要

としている。

「科学的根拠に基づいて行動することの大切さ」

Live News αのスタジオでは…

三田友梨佳キャスター:
私たちが毎日の生活の中で気をつけるべきこと、どうご覧になりますか?

早稲田大学ビジネススクール 長内厚教授:
西浦先生のことばで「科学的に基づいて行動することの大切さ」というのが印象深いんですね。ネットなどでは科学的な根拠がない不正確な情報や噂話が飛び交っています。ソーシャルメディアは便利なのですが、ソーシャルメディアが普及した今日だからこそ、こうした不正確な情報が瞬時に飛び交うリスクも考えないといけないんですね

早稲田大学ビジネススクール 長内厚教授:
命や健康について正確な情報を出して広めていくことは非常に大切なことです。さらにそうした情報をわかりやすく、身近な例で伝える、そしてそれを受け取る人たちが危機への対処を“自分ごと”にする必要があると思います。日本でも大変な事態であるということは皆さんわかっているのだけれど、自分の街のことではない、自分の家のことではない、自分は大丈夫だ、とどこかでまだ思っている人が多いと思うんです。そういう人たちが自分のこととして気をつけていくことが何より大事だと思います

三田友梨佳キャスター:
人ごとではなく、自分事、ということですね。人との接触を8割減らせば、このウイルスに勝つことができるとされています。いまは会いたい人に会えないさみしさもあると思いますが、大切なひとをまもるためにも力を合わせて頑張りましょう

(「Live News α」4月15日放送分)