収支報告書で明らかになった「ほら貝」購入

戦国の世では合戦の合図などとして使われた、ほら貝の音色。このほら貝が異例の短期決戦となった10月の衆院選を通して思わぬ脚光を浴びることになった。

11月、“維新カラー”の黄緑色のマスクとネクタイで国会に現れたのは、日本維新の会の杉本和巳衆院議員(61)。

日本維新の会 杉本和巳衆院議員
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愛知10区から出馬して、小選挙区では敗れたが比例で復活し、4回目の当選を果たした。その杉本議員が、政治資金で約4万円のほら貝を購入していたことがわかった。

杉本議員の資金管理団体の収支報告書を見ると、確かに2020年11月にほら貝を購入したとある。購入額は4万3230円だ。

杉本議員の収支報告書

買った目的を聞こうと接触を試みたものの、話は聞けなかった。

杉本元議員の事務所は「選挙の出陣式で景気づけに吹くために買った」と回答。しかし「練習をしたがいい音が出ず実際には使えなかった」という。

政治資金でのほら貝購入には、日本維新の会の松井代表も苦言を呈した。

日本維新の会・松井代表:
きちっとやっぱりみんなチェックされているんだから、有権者が納得できる形でやっぱり使用すべきだと思います。

「いい音が出なかった」専門店で検証

わざわざ買ったのに音が出なかったというほら貝。
あの音を出すのはどれだけ難しいのか。そこで取材班は愛知・豊橋市へ。

佐久間みなみキャスター:
「ほら貝ショップ」と書いてあります。早速入ってみたいと思います。

ほら貝専門店「法螺貝 穂の国」

訪ねたのは日本で唯一というほら貝専門店。出迎えてくれたのは、ほら貝演奏の達人だという店主の林龍沁さん(73)だ。店内にあったほら貝は、林さんの手作りだという。

ーーどなたが買う?
ほら貝演奏の“達人”・林龍沁さん:
お寺の方とか行者さんが多いですね。

一番値段が高いもので25万8000円。ちなみに杉本議員が購入した4万円台のほら貝は平均的な価格だという。

杉本議員が購入したものと同価格帯のほら貝

果たして音は出せるのか?佐久間キャスターが挑戦してみたが、吐く息が漏れるだけであの勇ましい音は出ない。そこで肺活量に自信のある男性ディレクターも挑戦してみたが、音は出なかった。

佐久間キャスター「あれ?音が出ない…?」
肺活量に自信のある男性ディレクターも挑戦したが…

ほら貝演奏の“達人”・林龍沁さん:
コツさえ分かれば音は出ますので5分も練習すれば音は出ます。

ほら貝を演奏する林さん

そこで達人の指導を受けコツを伝授された佐久間キャスター。約10分後再びチャレンジすると、見事ほら貝らしい音色を響かせることができた。

コツを伝授され、ほら貝らしい音色を出すことに成功

ほら貝演奏の“達人”・林龍沁さん:
残していきたいですね。こうやって自分なりに研究して、昔の木口を使った同じようなものを作っていって。

杉本議員を直撃「政治活動という認識」

そのほら貝を政治資金で購入した杉本議員。改めて本人が取材に応じた。

ーーご自身が吹くという想定で購入された?
日本維新の会・杉本和巳衆院議員:
想定は私自身が吹くです。結構何度も挑戦して、実はいろいろ横笛とか自分でも音楽をやるので、その一環で何度か挑戦しましたけど決して皆様に聴いていただくほどの、大河ドラマに出てくるような音は出せなかったというのが本音です。

取材に応じる杉本議員

政治資金を使ったことについては「政治活動という認識で問題があれば改めたい」としている。
 

加藤綾子キャスター:
なぜほら貝を買ったかなと思ってしまいますが…

住田裕子弁護士:
素敵な伝統的な楽器ですよね。しかもこの議員も音楽が好きだからこれは“趣味”でしょう。

加藤綾子キャスター:
やっぱり政治資金というのは、国民の暮らしを良くするための活動費としてだったら納得できる。

住田裕子弁護士:
そもそも政治家は“ホラ”吹いちゃいけないんですよ。今回の場合完全に趣味ですから。そういう意味でいくと、やはり今回は政治目的ではない流用であるとしたら、今の制度ではなかなかやりにくいのですが、新しい法制度でおかしかったらおかしいってチェックして(資金を)返還させるような法制度を私は作るべきだと思いますね。

(「イット!」12月8日放送より)