あくまで安全運転を支援するサポート装置だが、歩行者の飛び出しにも対応

大阪で乗用車がスーパーに突っ込み3人が死傷するなど、高齢者を中心にアクセルとブレーキのペダル踏み間違い事故が依然、後を絶たない。

そんな中、自動車に後付けできる新型の「踏み間違い防止オートブレーキ」が登場。その実力を取材した。

この記事の画像(10枚)

11月17日、大阪府狭山市のスーパーで89歳の男性の乗用車が暴走し3人が死傷。

また同じ日の夜、岐阜県高山市のコンビニにも74歳の男性が運転する乗用車が突っ込んだ。

2人は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と話している。

繰り返される高齢ドライバーによる事故。愛知県内でアクセルとブレーキの踏み間違いによる人身事故は、2020年で179件。このうち40%は65歳以上の高齢者だった。

そこで期待されるのが、車に後付けできる「踏み間違い防止オートブレーキ」。ペダルの上に取り付けて使用する。

自動車部品の製造を行う「ACR」が開発した。

ACRの担当者:
車の前にある特殊なカメラ、これで人か車を見分けます。上のレーダーでは人と車の距離を測定して危険度を測ります。近づくと危険度を感知して、かなり危険を感知すると、自動ブレーキがかかるようになっています

踏み間違えても本当に止まるのか。1メートル弱先の障害物に向かってアクセルを踏み込んでみると…前に進まない。

ACRの担当者:
自動ブレーキが効いているので、いくらアクセルを踏んでも前に行かないですね。これが「踏み間違い防止機能」で、前に障害物があると急発進を抑制したり、さらに停止したりする機能があります

さらに、前ばかりでなくバックする時も…。

ACRの担当者:
急発進を抑制すると、すぐに自動的にブレーキが作動します

さらに、高齢者ドライバーの事故で多いのが「発見の遅れ」。踏み間違い防止オートブレーキは子どもの飛び出しなど歩行者や車両を検知して、衝突被害を軽減する機能も付けられている。

ACRの担当者:
カメラとレーダーがしっかり反応して、衝突の危険性が高いと警告音と自動ブレーキが作動するようになっています。今出ていたのは時速30キロで、この装置は時速8キロから60キロの中で自動ブレーキが作動するよう設計されています

――どんな車にも付けられる?

ACRの担当者:
今は国内の主要車種、だいたい30車種以上に対応しております。トヨタでしたらヴィッツ、アクア、プリウスなどにも対応しております。100%安全というわけではなく、あくまで安全運転を支援するサポート装置だとお考え下さい

踏み間違い防止オートブレーキは、標準工賃込みで17万6000円。整備工場で取付られる。

国内では、11月から発売される新型の車については自動ブレーキの搭載が義務付けられた。

また愛知・岐阜・三重の多くの自治体では、65歳以上の高齢ドライバーらを対象に「後付けペダル踏み間違い急発進抑制装置」の購入・設置を補助する制度も設けている。詳しくは自治体の担当課にお問い合わせを。

(東海テレビ)

東海テレビ
東海テレビ

岐阜・愛知・三重の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。