青い地球をイメージした、28日の東京スカイツリー。
世界的に広がる新型コロナウイルス感染症に打ち勝とうという思いを込めた演出。
天望デッキには、「みんなで打ち勝とう」というメッセージが。
その言葉が今、現実となりつつある。

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新型コロナウイルスとの闘いに、世界の有名企業が支援に乗り出す。

高級ダウンを扱うファッションブランド・カナダグースのインスタグラムの投稿動画。
動画には、「我々は誇りを持って“装備”を製造している。カナダの第一線で働く医療従事者のために」というメッセージが。
カナダグースはダウンではなく、世界的に不足する医療用の白衣と患者用のガウンを来週から1万着生産し、寄付するとしている。

さらに、フランスの高級ブランド・LVMHは、クリスチャンディオール、ジバンシー、ゲランの3ブランドの香水や化粧品工場で消毒液を製造。
病院などへ無償提供するほか、流通ネットワークを駆使して4,000万枚のマスクを調達、供給するとしている。

感染者が1万4,000人を超えるイギリスでは、治療に必要な人工呼吸器の不足に備え、国を挙げて増産態勢を強化。
ロイター通信によると、イギリスの大手家電メーカー・ダイソンは10日前、ジョンソン首相からの依頼を受け、新たな人工呼吸器の開発に乗り出した。
発注は1万台。
ダイソン社が持つ掃除機モーターなどの技術を応用し、審査を待って、早ければ4月初めから製造に着手するとしている。

日本の自動車メーカーにも

また、イギリス政府は、イギリス国内に工場を持つ日本の自動車メーカーに対しても支援を要請している。
ホンダは、FNNの取材に対し、医療機器製造サポートの可能性について、イギリス政府から連絡を受けていると回答。
同じくイギリス国内に工場を持つ日産自動車にも打診があり、現在、検討中としている。
見えない敵との戦いに、業種や国境を超えた支援の輪が広がっている。

世界が一つになって立ち向かう

内田嶺衣奈キャスター:
マスクや消毒液などは「まだまだ足りない」と言われているものが多い中で、こういった様々な世界各国の企業の動き。
希望が持てるニュースと感じますが。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
こういった企業の社会的な意義というのが、まさにこういう有事こそが問われてくるってことだと思うんですよね。

最近の企業の社会貢献みたいなものもだいぶ過去とは違って、
過去はいろんなボランティアで寄付したりとか、スポンサーやったりだったが、
最近の大きな違いは、本業として社会貢献に取り組む。
ある種事業をやる以上は社会性が伴っていないと事業と言えない。
このぐらい社会の価値と企業の経済価値を一緒にしていこう。
こういった考え方がむしろ主流になってきている。

そういった大きな背景がある中でこの有事にどう対応するのか。
コロナウイルス対策という社会の大きな課題に対して企業ができることは何なのかってのは、
すべての企業は探って自分たちができる貢献できるところでなんだか事業にしていこう。
こういった動きというのはますます広がっていくと思うんですよね。

内田嶺衣奈キャスター:
そんな中で有事のときに大事になってくるポイントっていうのは?

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
特に有事の時というのは、お金の寄付とかお金で貢献するということ以上に、「現物で一番必要な人に届ける」
これが一番直接的に効果がある。
呼吸器もそうですし消毒薬もそうですしマスクもそうですけれども、一番困っている人にダイレクトに届けるもの。
これをいかにスピーディーに出せるかどうか。この一番貢献度が高いところを目指して皆さん努力しているところだと思います。

内田嶺衣奈キャスター:
まさに見えないウイルスに対して世界が一丸となって乗り越えようとしている輪が着実に広がっているのを感じます。

(「Live News α」3月27日放送分)