新型コロナウイルスによる感染が、全国的な広がりを見せている。
今まで感染者がいなかった地域でも、2月28日に静岡県、3月1日に兵庫県、そして2日には愛媛県で、各県初の新型コロナウイルスの感染者が判明した。
厚労省が新たな注意喚起の文書を作成
そのような中、厚生労働省は、集団感染が起こりやすい環境を避けるように呼びかけ、「新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために」「家庭内でご注意いただきたいこと〜8つのポイント〜」を公開した。
「新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために」では、今重要なのは感染の拡大を最小限に抑えるために、小規模な患者の集団(クラスター)が次の集団を生み出すことの防止だと説明。(※小規模クラスターとは…感染経路が追えている数人から数十人規模の患者の集団のこと)
続けて、これまで国内で感染が明らかになった人のうち、8割が他の人に感染させていないとしつつ、1人の感染者が複数に感染させた事例があったことを紹介している。
具体的には、スポーツジム 、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮説テントなどで、集団感染の共通点として「換気が悪く」「人が密に集まって過ごすような空間」「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」とした。
そこで「国民の皆さまへのお願い」として、
・換気が悪く、 人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避けてください。
・イベントを開催する方々は、風通しの悪い空間や、人が至近距離で会話する環境は、感染リスクが高いことから、その規模の大小にかかわらず、その開催の必要性について検討するとともに、開催する場合には、風通しの悪い空間をなるべく作らないなど、イベントの実施方法を工夫してください。
と呼びかけ、これらの知見は、今後の疫学情報や研究により変わる可能性があるが、現時点で最善と考えられる注意事項をまとめたものとしている。
家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合の注意点は?
そして「家庭内でご注意いただきたいこと」では、万一家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合に備え、その対応策として以下の8つに分けて注意点を紹介している。
(1)部屋を分けましょう
(2)感染者のお世話はできるだけ限られた方で
(3)マスクをつけましょう
(4)こまめに手を洗いましょう
(5)換気をしましょう
(6)手で触れる共有部分を消毒しましょう
(7)汚れたリネン、衣服を洗濯しましょう
(8)ゴミは密閉して捨てましょう
具体的に「部屋を分けましょう」では、食事や寝るときも感染が疑われる家族と別室で過ごし、もし部屋が分けられない場合には少なくとも2メートル以上の距離を保ったり、仕切りやカーテンなどを設置したりすることを推奨している。
「マスクをつけましょう」では、使用済みマスクの他の部屋への持ち出し禁止やマスクの表面には触れないように呼びかけ。
また「手で触れる共有部分を消毒しましょう」では、ドアノブやベッド柵などの共有部分は薄めた家庭用塩素系漂白剤で拭いた後に水拭き、トイレや洗面所は家庭用洗剤ですすぎ、加えて家庭用消毒剤によるこまめな消毒を勧めている。
そして最後に、感染が疑われる本人の外出を避けるよう訴えるとともに「ご家族、同居されている方も熱を測るなど、健康観察をし、不要不急の外出は避け、特に咳や発熱などの症状があるときには、職場などに行かないでください」と呼びかけた。
この他にも厚生労働省の公式サイトの「新型コロナウイルス感染症について」という特設ページで、国内の状況のほか、予防法などについて答えた一般向けのQ&Aがあり、日々新たな情報を更新している。
新型コロナウイルスに関して、何らかの不安や疑問が生じた場合は、まずはこちらのページを確認するとよいだろう。
(参考記事:【新型コロナウイルス】 疑問に答えるQ&A…厚労省や首相官邸が公開中)
厚労省「新型コロナウイルスの集団感染を防ぐために」はこちら
厚労省「家庭内でご注意いただきたいこと 〜8つのポイント〜」はこちら