30年以内の南海トラフ地震発生は変わらず70~80%

1月24日、国の地震調査委員会が1月1日時点での地震の発生確率を公表。
また、南海トラフ地震で3m以上の津波が発生する確率も、今回初めて公表される運びとなった。

<地震発生確率(30年以内)>

地震発生確率が高いランクから色分け

・紫…高い(26%以上)
・赤…やや高い(3~26%未満)
・黄…3%未満
・緑…不明


公表された30年以内の地震発生確率によると、宮城県の陸寄りの沖合でマグニチュード7.4前後の地震が起きる確率は30年以内に60%程度。
青森県東方沖および岩手県沖北部で起きるマグニチュード7.9程度の地震は、これまでの5~30%の確率から、6~30%とわずかに上がる結果となった。

また、南海トラフでマグニチュード8~9の巨大地震が今後30年で起きる確率は、2019年と同じ70~80%

北海道十勝沖から根室沖の千島海溝、東日本大震災の震源となった日本海溝、相模トラフなどの南関東の地震は切迫度が最大ランクとなっており、海溝型地震の確率は高いままとなっている。

初公表の「津波発生確率」 現実路線の備え促す

そして今回初めて公表されたのが、南海トラフ地震で3m以上の津波が発生する確率。
そこには、今後起きる確率が高い南海トラフ地震に対して「現実的な備え」を促す狙いがあるという。

<南海トラフ地震で3m以上の津波が発生する確率(30年以内)>

・紫…26%以上
・赤…6~26%未満
・黄…6%未満

東北から九州の沿岸には352の市区町村があるが、そのうち71市区町村が「3m以上の津波が襲う確率が26%以上」という結果が出ている。


福原直英アナウンサー:
26%というと「さほど高くない」と感じる方もいるかもしれないが、この26%というのは、調査委員会によると「交通事故で怪我をする確率よりも高い」ということだ。

高さ3mの津波が実際に襲いますと、木造住宅が全壊、そして流出するという深刻な被害をもたらすレベルだ。

南海トラフ地震は今後30年で70~80%の確率で起きるわけだ。ただちに備えを整える必要があるという意味でも今回、この津波の確率が公表されたといえるだろう。今からでも現実的に備えが可能かどうかを踏まえての発表だ。

福原直英アナウンサー:
高さ5m、10mという津波になると、構造物で防ぐ対応は難しくなり、身一つで逃げる避難に重点を置かざるを得なくなる。

最も高い津波ではなく、限られた予算や時間で実施できる「起こりやすそうな津波」への対策を住民や自治体に促す狙いがあるものとみられる。


コラムニスト・吉田潮さん:
申し訳ないが、私は確率という数字を基本的には信用していないというか、鵜呑みにしないようにしている。大切なのは、3mの津波でも危険だよ、という情報の数字。そういうところは覚悟をちゃんと持たなきゃいけないと思う。いらない心配をしてもしょうがない、というところもあると思う 。

(「Live News it!」1月24日放送分より)

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