新潟地震発生直後 日本海側の3県に津波注意報
6月18日午後10時23分、新潟で最大震度6強を観測した地震発生直後、山形県・新潟県・石川県に津波注意報が出された。
この記事の画像(16枚)山形県鶴岡市の沖合にある無人島の白山島。由良海岸から島に歩いて渡れる橋の上で、地震発生3分後に視聴者が撮影した動画には津波からの避難を呼びかける防災無線の音声が記録されていた。
防災無線:
付近の方は注意してください…
撮影者:
えっ!潮引いてる!潮引いてる!やばい!やばい!やばい!
と海岸付近での緊迫した状況が映っていた。
また、地震から一夜明け新潟空港近くを流れる阿賀野川の河口付近を取材していみると、川べりに生えた草が津波によって押し倒されているのが見つかった。
10cmの津波と10cmの普通の波は破壊力が全く違う…
この付近では6月19日午前0時ごろ10cmの津波を観測していたが…
阿賀野川付近に住む住民は…
住民:
(津波は)考えることもなかったものね。日本海側ではね…
住民:
(津波は)あまり気にしてなかったです。過信ですね。(Q:津波が来るはずがないと?)うん
と南海トラフ地震などが話題となる太平洋側と違い、日本海側では津波については警戒心が薄かったと言う。
しかし、現場に同行してもらった専門家はたとえ10cmの津波と言えども決して油断してはいけないと言う。
地域微動探査協会 横山芳春博士:
普通の波と違って津波はカタマリとしての水がそのまま押し寄せてきますので…
横山芳春博士:
10cmなら10cmぶんのかさの水がそのまま陸に押し寄せる形になる非常に大きな破壊力を持っています
実は津波リスクが高い「日本海東縁ひずみ集中帯」とは?
更に、今回の震源域となった日本海一帯が実は津波のリスクが高い地域だと専門家は指摘する。
横山芳春博士:
この辺りは「日本海東縁ひずみ集中帯」と言われる地震が非常に多く発生するところがありまして、しかも津波を引き起こす地震発生エリアとして知られているんですね
日本海東縁ひずみ集中帯は北米プレートとユーラシアプレートが互いに押し合う境界付近にあり地震が起こりやすいとされるエリアだ。
1983年に発生した日本海中部地震の場合も震源はひずみ集中帯の秋田県沖で津波による死者は100人に上った。
また、1964年に発生した新潟地震の震源も同じエリアにあり、津波が大きな被害をもたらした。
太平洋側だけでなく日本海側にも潜む津波リスク。
今後の備えについて専門家は…
横山芳春博士:
今後マグニチュード6.5以上の地震ですと、同程度あるいはそれ以上の津波がくる可能性も十分あります
加藤綾子キャスター:
風間さんは新潟出身ということで、1964年にも大きな地震があったんですね?
風間晋解説委員:
その時、新潟市内にいたんですね。揺れた瞬間も鮮明に記憶しています
加藤綾子:
当時何歳ですか?
風間晋:
5歳です。毎日バスで渡っていた信濃川にかかる橋が崩落してしまって、父親と歩いて家に向かったんですけれど、その途中に大きなガスタンクが炎上していて黒煙があがっている。家に着いてみたら、もう家の中はぐちゃぐちゃと…そういう記憶は鮮明にあるんですけれど、なぜか津波のことは覚えていないんですよ。ただ今VTRを見るとやはり津波への注意というのは欠かしてはならないなと思いましたね
加藤綾子:
昨日も津波注意報出ましたけれども、予想より大きくなったり、たとえ30cmの津波でも足元をもっていかれる危険性が高いということで、情報には注意してください。
(「Live News it!」6月19日放送分より)