買いたい仕掛けが満載
生活、美容、バラエティーグッズと幅広い商品を扱い、常にトレンドを発信する雑貨店「ロフト」。
近年、ある変化が起きている。

ロフトの阿部武 広報・渉外部部長
導入する前に比べると、お客様が買う商品点数が上がったことによって、売り上げも比例して上がっています

さまざまなアイテムが2万5,000種類並んだ、千葉・松戸市にあるロフトの新店舗。
このロフトには、従来の店舗にはない ある特徴がある。
よく見ると、商品棚が斜めに置かれている。

俯瞰(ふかん)で見ると一目瞭然。
棚は縦、横、斜めと、さまざまな方向を向いている。
これは「クランク導線」と呼ばれるもの。
いったいなぜ、わざわざ向きをバラバラにするのだろうか。

ロフト 阿部武 広報・渉外部部長
棚が斜めに配置されていることによって、お客様の視界にいろんな商品が目につく
一般的な店舗は、商品棚を碁盤の目のように縦横真っすぐに並べた「ストレート導線」。
この形は、目当ての商品をすぐに探せるため「目的買い」に適している。

しかし、「クランク導線」では...
ロフト 阿部武 広報・渉外部部長
自分の生活周りで必要なもの以外の、『これがほしい』、『あれがほしい』というところに目がいってしまう。そういった情報が目に入ることによって、ついつい「ついで買い」をしてしまう
グラデーションのように陳列
「ついで買い」の工夫は、商品の配置にも…
乾燥する季節に大活躍のUSB加湿器。
そのすぐ横の棚には、お弁当にも大活躍のスープジャーコーナーが。
また、横に目をやるとブランケット。
そして、フレグランスコーナーへと続く。
オフィス周りの商品から、「あったかグッズ」、そして「癒やしグッズ」へとグラデーションのように陳列されている。

「クランク導線」で広くなった視野に関連する商品を隣接することで、客を奥へ奥へと引き込み、店に滞在する時間を長くする仕掛けになっている。
女性客;
奥の方のものも、特に興味があるとか目的のモノではなくても、『あそこにコスメがあるんだな』とか、わかりやすいのでいい。
ジグザグ、ジグザグ、自分でも歩いていたので、無意識のうちにいろんな商品を見られるのかもしれない

この「クランク導線」を導入したことで、客の購入点数が増え、1人あたりの売り上げが、約2倍増加したという。
ロフト 阿部武 広報・渉外部部長
リアルの店舗でどれだけ顧客体験としての楽しさを感じてもらうか。小売業のリアル店舗の大きな課題の1つになっている。
リアル店舗であるからこそ、商品の機能・使い勝手の良さ・トレンドのあり方等が、手に取ることによって認識できる。
“雑貨を通じた情報発信基地”になっていこうと創業以来考えていたので、その精度をどんどん高めていきたい

(「Live News α」1月13日放送分)