インフルエンザと同様の感覚で接種を

21日から本格的に始まった、職場などでのワクチン接種。
先週18日の時点で、全国の企業や大学など、約3,400会場の申請があり、1,373万人の接種が予定されている。

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アメリカの大学病院で新型コロナウイルスと向き合っている内科医の山田悠史先生に、今後わたしたちが気をつけるべきポイントについて話を聞いた。

三田友梨佳キャスター:
働く人たちへの接種がこれから本格化していきますが、ここでわたしたちはどのようなことに気をつければいいのでしょうか?

マウントサイナイ大学病院勤務・山田悠史医師:
最も大切な注意点としては、翌日に発熱などの体調不良が出ることがあるので、職員それぞれの接種翌日の予定をフレキシブルにしておいて、休みがとれるような態勢で準備しておくような点が挙げられます。

また、仕事のチーム内で接種日をずらして、チームで一度に複数人の欠員が出ないようにしておくといった工夫もできるかもしれません。

これは家庭内でも言えることで、家族の中でも接種日をずらしておくと、家族がそろって倒れてしまうというような状況を避けることができると思います。

三田キャスター:
ワクチンの接種後、まれに熱が出てしまうことに対しては備えておく必要があるということですね。

山田悠史医師:
そうですね。熱や痛みなどの副反応に関して言えば、接種後の準備として、ご自宅にアセトアミノフェンやイブプロフェン、ロキソプロフェンといった、普段使い慣れている解熱鎮痛薬を常備しておくといいと思います。

これらの薬は市販薬でも手に入るので、比較的どこでも容易にお買い求めいただけるのではないかと思います。
もし接種後に熱や痛みが出たら、そういった薬を内服していただいて構いません。

三田キャスター:
そうした副反応を心配される方が多いと思いますが、これについてはどう受け止めればいいのでしょうか?

山田悠史医師:
やはり、体調が悪くなるかもしれないという点はご不安な点だと思います。

ただ、仮に副反応が出たとしても、1日や2日で収まることが多く、その後はすぐに職場復帰可能なケースがほとんどです。

また、接種を終えれば最低でも1年ほどは有効性が期待できるワクチンです。
ご不安もあるとは思いますが、あまり特別視せずに、インフルエンザのワクチンなどと同様の感覚で接種を受けていただければと思います。

三田キャスター:
山田先生はアメリカにお住まいですが、ワクチン接種が進んだアメリカの経験から、わたしたちが学ぶべきことはありますか?

山田悠史医師:
わたしの住むニューヨークでは、成人の7割を超える人が予防接種を受けたことをきっかけにして、マスクやソーシャルディスタンスといった制約が全て解除されました。

そして、とてもいいニュースとして、いまだ感染対策を緩めても感染者の増加は見られていません。

このようにワクチン接種を迅速に普及していくことは、安全な規制緩和ですとか生活の正常化といったことにつながっていきます。

ワクチンは個人の体を守るだけでなく、自分の周りの人、そして社会全体を守る効果が期待できるものですので、順番が来たらぜひ前向きに接種をご検討ください。

三田キャスター:
皆さんの中には、接種を迷っている方もたくさんいらっしゃると思います。

ワクチンを打たないリスクと打つリスクを比較して、それぞれがご自分の体と向き合いながら冷静に判断することが求められます。
どんな決断も尊重されるものだと思います。

(「Live News α」6月21日放送分)