楽天IDで・・・PayPayで・・・キャッシュレス注文が決め手
ある企業のランチタイム。
社員が次々と手にしていくのは、宅配弁当。
この宅配弁当、人気の訳は価格の安さとボリュームだけではなかった。
創業55年を迎える企業専門の宅配弁当業者「あづま給食センター 」。
毎朝、取引先の企業に配達するため、4,500食の弁当を作っている。
この日の献立は、とり肉の甘酢あんかけ弁当。
出来上がった弁当は、東京都内を中心に、およそ500社に配達するという。
この宅配弁当サービスを利用する企業を訪ねると・・・
社員はあらゆる場所でクレジットカードや電子マネーなど、キャッシュレスで注文。
宅配弁当を利用する社員:
「きょうの弁当を注文しました。今は楽天IDで」
「弁当代をPayPayで払った」
東京・千代田区の「アイティメディア」では、キャッシュレスの注文システムが決め手となって、初めて宅配弁当サービスを導入したという。
サービスを利用した社員:
事前にキャッシュレスで支払って、届いたらここに取りに来てここで食べるだけで、すごく楽ちん。
アイティメディア総務部・三成真由美さん:
弁当を食べたい人が自分でキャッシュレスで注文して、自分でその場で決済できるのが、わたしたち担当者にとっては楽だった。
弁当の集計業務の手間を無くし、各自で決済
老舗の宅配弁当業者が、注文のキャッシュレス化を進める背景には、ある深刻な事情があった。
あづま給食センター・古川直社長:
(企業側に)集計する人がいないとか、面倒な業務があるので、なかなか宅配弁当を導入したがらない。ITを取り入れて、そこを改善できないかと。
宅配弁当の集計業務などを嫌がる企業が増え、今、弁当業界全体が落ち込んでいるのだという。
従来、取引先企業からの注文は、電話かファクスで受け付けてきた。
実際に届いた弁当の注文書を見ると、日付や部署ごとの発注数を企業の担当者が手書きで書き込んでいる。
この手間を省けば、再び売り上げが伸びると考えて、注文や支払いのIT化に取り組んだという古川社長。
キャッシュレス化で売り上げは約1.3倍に増えたという。
ランチ難民を救う
システムは自社開発することでコストを抑え、店頭の価格は400円台に据え置いた。
低価格とITによる便利さを武器に、シェアを巻き返したいと意気込みを見せる。
古川社長:
ちまたでランチ難民と言われるくらい、昼食というのは地味だが深刻な問題。当社がITを使って、それを変えていくのがこれからの野望です。
(「Live News α」11月18日放送分)