被災したリンゴ農園が収穫の最盛期
台風19号で被災した宮城・大郷町のリンゴ農園では、収穫の最盛期を迎えている。
そんな中で、被害が深刻だったため農家を辞めることを考えている男性もいる。
リンゴ農家 柴敬悦さん(82):
栽培する者にとって、収穫は一番楽しいです
柴さんのリンゴ畑では、今が旬の「ふじ」の収穫が急ピッチで進められていた。
出荷できなくなったリンゴ約3トンを処分
柴さんの自宅は、台風19号による吉田川の堤防決壊で、1mほど浸水。
リンゴ畑は無事だったが、自宅の倉庫に保管していたリンゴが全て泥水に漬かった。
リンゴ農家 柴敬悦さん:
(倉庫の)隙間から(泥水が)入ってきて、カゴが全部ひっくり返ってしまった。どうにもできないからね、捨てるしかない
柴さんは、出荷できなくなったリンゴ、およそ3トンを自らの手で処分。
リンゴ農家 柴敬悦さん:
災害ですからね...残念だけども。正直言ってつらいですよね
農家を辞めることも考えている
リンゴの栽培を始めて30年の柴さん。
経験したことのない台風の被害。見通しが立たない生活の再建。
突きつけられた現実に、農家を辞めることも考えているという。
リンゴ農家 柴敬悦さん:
私も、そろそろリンゴとお別れするようになるんでしょうね。始めるときよりも辞めるというのはつらい
柴さんは、リンゴ農家を継いでくれる後継者が見つかるまでは、畑の手入れを続けていくという。
(仙台放送)