記者会見と「ぶら」の違い

週刊平井事典、今日は「ぶら」。
と言っても「寄せて上げるブラ」とかそういうブラではない。

記者が待ち構えているところに政治家や有名人が歩いてきて、ちょっと立ち止まって短いやり取りをすることを、ぶら下がり、略して「ぶら」という。

双方が椅子に座ってやる記者会見でなく「ぶら」が盛んになった理由は、取材される側とする側の利害が一致しているから。

「ぶら」は会見より時間が短いので取材される側にとってはラク。

一方する側にとっては原稿に使う政治家のワンフレーズが手っ取り早く手に入る。会見を要求しても敵は何かと理由をつけて応じない。

「首相ぶら」を世に広めたのは小泉純一郎元首相

「首相ぶら」を世に広めたのは小泉純一郎さん。毎朝夕必ずやる「ぶら」は天才小泉の真骨頂だった。

でも会見で根掘り葉掘り聞かないと真実の追及がおろそかになるのではとの批判はある。

安倍首相が花見問題の説明を国会や会見でなく「ぶら」でしたことを批判する人もいるが、見てる側から言うと首相の話を聞きたいのに野党や記者の質問が長過ぎ!
だったら「ぶら」の方がいいかも。

【解説:フジテレビ 解説委員 平井文夫】

平井文夫
平井文夫

言わねばならぬことを言う。神は細部に宿る。
フジテレビ報道局上席解説委員。1959年長崎市生まれ。82年フジテレビ入社。ワシントン特派員、編集長、政治部長、専任局長、「新報道2001」キャスター等を経て現職。