アジの気分を味わえる施設が話題

職業体験ができる子供用施設が人気だが、静岡県沼津市の伊豆・三津シーパラダイスでは、ある魚になりきれる施設が12月14日にオープンし、話題となっている。

それが、アジになりきり体験「あじっこパラダイス」だ。

あじっこパラダイスの外観
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アジになりきるといわれてもピンとこないかもいれないが、参加者の子供はアジのイラストが背面に印刷された衣装を着て、海の中だけでなく調理されて食卓に並ぶまでを疑似体験できるというのだ。

まず、網に囲まれたトランポリンの器具で遊べるが、ここはすでに漁獲されるところをイメージしている。そして、アジが干されて干物になるところを体験できる網などがあり、最後はアジ定食として食卓に並ぶところまで5つの“アジ体験”ができる。

写真を撮ればSNS映えはするだろうが、捕まってから食べられるまでを子供が体験するというのは中々シュールだ。

「アジの干物」の気分を体験

イルカショーやセイウチによるパフォーマンスなど、楽しいイベントを行っている伊豆・三津シーパラダイスだが、なぜちょっとシュールな「あじっこパラダイス」を作ったのか?そしてそもそも、数ある魚の中からなぜアジを選んだのか?
伊豆・三津シーパラダイスの担当者に聞いてみた。

社内でのウケは比較的良かったです

ーーあじっこパラダイスが作られた経緯を教えて

当館がある沼津市は、アジの干物と養殖アジの漁獲量が日本一となっています。(2019年12月現在)
そんな地元の名産アジを皆様に知っていただくため、内浦漁業協同組合様やその直営レストランいけすや様・沼津ひものの会様にご協力いただきあじっこパラダイスという施設を作りました。


ーーなぜ、あじになりきることにした?

当館は「遊ぶ・ふれる・学ぶ」というテーマをもって展示を行っており、ただ水槽の生き物を見るだけではなく、いろいろな視点から生き物に興味を持っていただく工夫をしています。
今回はお子さまが生き物(アジ)について興味を持っていただくきっかけとして何がよいかを考え、自ら生き物になってその世界へ入ってもらい遊んでいただこうと思いました。

まな板に見立てたベッドに寝転んでアジの気分

ーーあじの格好で食卓にあがるというのは子どもにはシュールな気もするが…

我々の生活において「魚」は食材として関わることが最も多いと思います。
その魚がどのようにして我々の食卓に来るのか、この料理に使われている魚はどんな魚なのかなど、様々な興味を持っていただければ良いと考えています。
アジのコスチュームを着て遊んでいる姿はかわいらしいですし、アジ定食になっているような面白い写真を撮ることができるのも、SNSの利用が多い現代ではとても人気があります。


ーープレゼンしたときの社内の反応は?

比較的ウケはよかったです。我々にとってはとても馴染みのある魚なのであまり抵抗が無かったのかもしれません。


子どもにはトランポリンが一番人気

ーーアトラクションにはどんな意味がある?

海で泳いでいるアジが漁獲され、加工、調理されて食卓へ上がるまでを表現しています。

1. トランポリンを使った遊具は漁獲されるところをイメージしています。
2. まな板と包丁のクッションでは加工される様子をイメージしています。
3. ネットではアジを干して干物にしている様子をイメージしています。
4. コンロとフライパンのエアークッションでは家庭で調理している様子をイメージしています。
5. あじ定食として食卓に並んだように写真を撮れるスペースを用意しています。

ーー食育的な側面もある?

もちろん食育的な要素も考えています。
干物は「ひもの」という魚ではなく、その材料としてアジという魚がいるということを知ってもらうだけでも意味があると思います。


ーー子どもたちの反応はどうだった?

冬の時期でも汗だくで遊んでいるお子さまもいて、その笑顔と笑い声からとても楽しんでいただけていると感じています。


ーーこどもに一番人気があったのはどのアトラクション?

トランポリンは人気があります。まな板の上で寝転んで家族の方に写真をとってもらったのが楽しかったという声もありました。


ーー親の反応は?

アジのコスチュームがかわいかった、干物の網に兄弟で登っている姿が面白かったなど、子どもたちのかわいらしい姿を見たり、写真におさめたりできるのが好評でした。


食卓に並ぶアジの気分にもなれる

アトラクションの対象年齢は小学3年生まで

ーー施設内にあじを食べられる食堂もある?

当館にはありません。当館より車で3分程度の場所にある内浦漁協直営のいけすや様で食べられます。


ーーだいたいの来場者を教えて?

初日の来場者はは約400名程度だと思われます。


ーー大人もアトラクションを体験できる?

基本的に遊具のご利用はできませんが、お子さまと一緒に施設内へ入っていただくことは可能です。対象年齢は小学3年生までとなっております。


ーー反響はあった?

オープンにあたり取材の方もいらっしゃっていただきました。地元の方からは、「面白いね」と言っていただき好評です。


ーー「新施設第2弾」となってますが、第1弾は何?

2019年7月にペンギンの生活空間に入り込み、間近で観察できる「ペンパラ」が第1弾です。


ーー違う魚のなりきりシリーズも考えている?

既にご利用いただいております「みとしーminiパラダイス」は海の生き物の生活をまねてみることができるキッズコーナーです。
「物に隠れる生き物」・「穴から顔を出して生活する生き物」などを海に見立てた大型ボールプールの中に設置されている遊具を使って疑似体験をしてもらいます。今後も新たなアイデアを考えていきたいです。


「あじっこパラダイス」のある伊豆・三津シーパラダイスは、営業時間は9:00~17:00で入場料金は大人(中学生以上)2200円、4歳~小学生は1100円。

ちょっとシュールだが、コスチュームを着て遊ぶのは子供は喜ぶだろうし、アジについて話を聞いたり、本を読んだりするよりも、実際にアトラクションを体験する方が関心を持つという狙いはうなづける気がする。