新型コロナウイルスのクラスターについて、学校の現場から学ぶ。
教職員と生徒あわせて24人の感染が確認された、鹿児島・出水市の出水中央高校。
校長が当時の状況を話してくれた。

最新機器でコロナ対策も…教職員1人に「陽性」

出水中央高校 鹿児島県出水市
出水中央高校 鹿児島県出水市
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全校生徒831人、鹿児島・出水市にある出水中央高校。
木山博隆校長が鹿児島テレビの取材に応じ、当時の心境を振り返った。

木山博隆校長:
いやあもう、正直その時の心境は、もう真っ白でした。とにかく何人でこのクラスターが止まるだろうと

学校では、最新の機器を導入して感染防止対策に取り組んでいたというが、2020年12月8日、最初の感染者が確認される。

最新機器の感染防止対策も行っていたが…
最新機器の感染防止対策も行っていたが…

数日前から発熱の症状があり、学校を休んでいた教職員がPCR検査で陽性と判明。
その日のうちに接触があった教師と生徒の計75人を検査して10人が陽性となり、翌日以降、検査対象はさらに膨れ上がっていった。
結果的に校内のクラスターは、教職員12人、生徒12人のあわせて24人。
検査対象者は918人にのぼった。

1人の陽性判明から次々と
1人の陽性判明から次々と

芸術鑑賞会・入試シーズン…学校特有の環境が背景に

検査対象がここまで膨らんだ背景には、学校現場特有の環境があった。

木山博隆校長:
たまたま(1例目確認の)12月8日に、校内で芸術鑑賞会があった。全員が同じ場にいたということを聞いた保健所の方が判断されて、「これはもう全員(PCR検査を)やりましょう」と

集合体が大きくなる分、クラスターのリスクは高まる。
そして、受験シーズンを控えていた学校では、入試問題をつくるため、狭い会議室での会合も頻繁にあったという。

木山博隆校長:
その時は黙食とかじゃなくて、その時はまだいろいろ会話をされながら(食事を)とっていたであろうと思いますし

50日ぶりの対面授業に子どもたちは…

1月28日、学校に生徒たちの元気な声が戻ってきた。
オンライン授業から切り替えて、約50日ぶりに対面授業が再開した。

子どもたちの元気な声も
子どもたちの元気な声も

生徒:
(オンライン授業は)やっぱり心細くはありましたね。画面越しでしか授業ができないので、直接話したいなと

生徒:
久しぶりに顔を合わせて、懐かしい気持ちになりました

教室には新たに、非接触型の消毒器や大型の空気清浄機を導入。
職員会議もリモートで行うなど、「できることをやっていきたい」と木山校長は話す。

木山博隆校長:
この教訓を生かした形で、できることはしっかりやっていかないといけない。マスクの着用の仕方や食事のとり方など、今一度指導を行っているところです

最初の感染確認から約2カ月。
出水中央高校はクラスターの教訓を胸に、日常生活を取り戻す一歩を踏み出した。

コロナに負けんど!
コロナに負けんど!

(鹿児島テレビ)