新型コロナウイルス特別措置法と感染症法の改正案をめぐる、与野党の修正協議が26日、始まった。感染防止に向け、「罰則」による「実効性」の担保と、「国民の権利」のバランスをどう取るのかが焦点となる、今回の協議のポイントとは。

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まず新型コロナウイルス特別措置法の改正について。一つ目の論点は罰則だ。政府の改正案では緊急事態宣言の対象地域で知事が飲食店などに時短営業などを命令できるようにし、応じない場合は50万円以下の過料を科せるとした。過料とはいわば違反金だが、野党側はこれについて見直しを求めている。

二つ目は、緊急事態宣言前の扱いだ。改正案では、宣言前でも大きな感染拡大の恐れがある場合の予防的な措置として「まん延防止等重点措置」を新設した。宣言前でも飲食店に時短営業などが命令でき、応じない場合は30万円以下の過料を科すとしている。これに対して野党側は「どういった基準で措置が出せるのか曖昧だ。曖昧なのに違反金はおかしい」と批判している。また緊急事態宣言とは違って、国会への事前の報告義務がないことも問題だとしている。

三つ目は、補償・支援で、時短営業などに応じた飲食店に対しての支援を義務付けたが、野党側は「補償が不十分だ」と訴えている。

つまり修正協議では違反金である「過料」の額、予防的措置をどうするか、支援・補償の3点がポイントとなる。

続いて感染症法の改正について。政府の改正案では、入院を拒否した感染者に1年以下の懲役か100万円以下の罰金を科すとした。これは特措法の過料と違って刑事罰なので、野党側は罰が重すぎると批判している。また現在病床がひっ迫しているのに、さらに入院をさせるのは現実的ではない、という意見もある。

そして、感染経路などを調べるための調査について嘘をついたり拒否した人に50万円以下の罰金を科すという点についても、野党は「罰金は重すぎる」と批判している。感染症法改正案の修正協議はこの「罰則」がポイントとなる見通しだ。

そしてこの罰則をめぐっては、関係団体から賛否様々な声が出ている。

各都道府県でコロナ対策の最前線に立つ知事たちの団体、全国知事会は対策の実効性を担保するため罰則を設けるよう求めてきただけに、政府案を高く評価している。これに対し、日本医学会連合は感染症法の改正について、入院拒否などに対する罰則を伴う強制は国⺠に恐怖や不安・差別を引き起こし、検査を受けなくなることで逆に感染の抑⽌が困難になるなどと指摘し、罰則に反対している。

また、FNNの世論調査では、特措法での時短要請に応じない店舗への罰則については反対が上回る一方、感染症法での入院拒否への罰則には賛成が上回るなど、国民の世論も分かれている。

こうした様々な意見も踏まえ、「罰則の重さ」や「まん延防止等重点措置」をどうするかが議論されるわけだが、与党側からは「懲役刑を外す」とか、「国会への事前報告には応じる」などある程度の修正は受け入れてもいいのではないかという声が出ている。

2月上旬の成立に向けた時間の限られた協議で、人権に配慮しつつ「感染拡大を防ぐための実効性を担保」できるような結論を見いだせるのか、与野党は難しい協議を迫られている。

(フジテレビ政治部 佐藤友紀)