子供の成長を写真や動画で残している人は多いだろう。

いま5年の時をかけて、季節の移り変わりと娘の成長を収めた写真が、Twitterで話題になっている。

それがこちら。

5年かかってようやく撮れました。
秋の紅葉、夏の新緑、春の桜、冬の雪。

最初に紅葉を撮ってから雪を撮る間に
娘も6歳が10歳になり、シルエットからも成長を感じます。

これで撮るのをやめるわけではありませんが一つの目標が叶った瞬間です。
並べると今までの思い出が思い出されて溢れそうです。

このコメントとともに投稿された4枚の画像は、御堂で仏像に手を合わせる女の子のシルエット。同じ構図だが、4枚とも御堂の向こうに広がる景色が変化している。

真っ赤に燃える紅葉が鮮やかな「秋の紅葉」。初夏の若葉がみずみずしい「夏の新緑」。儚さも兼ね備えた「春の桜」。静かに降り積もる「冬の雪」。

最初の「秋の紅葉」の撮影時に6歳だった娘さんは、最後の「冬の雪」を迎えるときには、5年が経過し10歳に。背景のみならず、シルエットで写る娘さんの背丈も徐々に成長しているのが分かる。

この記事の画像(12枚)

撮影したのは、趣味で風景写真を撮影しているという会社員のしんごさん(@shingo_camera)。

しんごさんは、普段からTwitterにさまざまな美しい風景写真を投稿しており、その壮大な写真には思わず息をのんでしまう。

しんごさん撮影の風景写真
しんごさん撮影の風景写真

今回話題となった四季の写真は、ソニーのミラーレスカメラ「α7RII」を使用し、娘さんの目線より低く構えることを意識して撮影した写真だという。なお場所は奈良県の長谷寺だ。

この美しい成長写真にTwitterでは「目が離せなくなりました」「愛が溢れている」「神秘的で惹きつけられる写真!」といった感動のコメントが多く投稿され、8万以上のいいねがつくなど大きな反響となった。(1月15日時点)

2016年11月撮影「秋の紅葉」
2016年11月撮影「秋の紅葉」

素敵な成長記録になっていること間違いなしの写真だが、なぜ5年もかけてこの構図の写真を撮影しようと思ったのだろうか?娘さんの反応は?

しんごさんに話を聞いてみた。

「四季を通じて成長記を撮影しよう」

ーーなぜ、5年の歳月をかけて撮影することになった?

紅葉の時期に家族で訪れて、お祈りをする姿を床紅葉(床にもみじの色が映る様)と合わせて撮り、その時に季節を変えて床の色が変わると綺麗だろうなと、半年後に新緑で再度訪れました。

その時に撮影したものを紅葉と並べた時に、たった半年で子供っぽかった体型が、背が伸びてお姉さんになってるんだなと成長を感じて、四季を通じて成長記を撮影しようと続けることを決めました。

ーーそれぞれの写真を見て、どう思う?

風景写真がベースにありますので、「変わるもの(季節、娘の成長)」と「変わらないもの(本堂)」という“静と動”という二面性を、成長記の中に残せたと感じます。

また、この間に娘の身長が1.5倍になっており、年月の経過の早さを娘の成長から感じます。娘も非常に喜んでくれており、友達に見せたいと言ってくれております。


ーーどの季節が一番思い出深い?

「夏の新緑」が一番思い出深いです。期間にして半年の差なのに、秋は身体に対して頭が大きく幼児体型だったのが、半年でお姉ちゃんになったなと、一番成長を感じて嬉しくなりました。

秋から半年後… 2017年5月撮影「夏の新緑」 
秋から半年後… 2017年5月撮影「夏の新緑」 

ーー撮影で苦労した点は?

「冬の雪」です。雪が滅多に降らない地域のため、そもそも積もるということがなく、私も社会人であり、娘も学校がありますので二人とも都合がついた上で、雪が積もるタイミングが長らくなく時間を要しました。

撮影順にはこだわりがなかったため、新緑以降は毎冬ずっと天候を確認していましたが、撮影できたのが2021年まで要しました。

2019年4月撮影「春の桜」
2019年4月撮影「春の桜」

娘も友達に届いたらいいなとワクワクしています

ーー完成した時はどう思った?

成長記ですのでこれで終わりではないですが、一つ目標としていた四季が完成できたことを嬉しく思います。また、並べるとほんと子供の時間は一瞬であり、大事にしないといけないという思いが溢れます。


ーーこの写真のタイトルはある?

「歳事記」とタイトルをつけて、インスタグラムにはあげております。

本来の意味としては一年の行事を記したものとなりますが、毎年同じものなどはなく、今回であれば娘の成長ですが“不変なものはない”という意味を込めております。

2021年1月撮影「冬の雪」
2021年1月撮影「冬の雪」

ーー反響の大きさについては、どのように感じている?

親が子供の成長を写真として残すのは当たり前のことだと思いますが、それに対して大きな反響をいただけること、非常に嬉しく思います。これからも続けようという励みになりました。

娘もネットニュースとかで、友達に届いたらいいなとワクワクしています。

娘さんを撮影した他のアート写真

今は風景写真にはまり、そちらがメインになってしまっているそうだが、最初は娘さんが3歳の時に「写真を残してあげたい」という思いから、デジタル一眼レフを購入して撮り始めたという。

今まで撮影した娘さんのアート写真もいくつか教えてもらった。

まずは、大阪の商業施設「枚方T-SITE」で撮影したという「本の国」。娘さんの大きさと書店の大きさの対比をみせるようにしているのだそう。

「本の国」
「本の国」

次は、神戸にある近代化産業遺産「湊川隧道」へ初めて訪れた時に撮影したという「不思議の国の…」。

この空間に異世界感があり、娘さんのポーズで、不思議の国に迷い込んだアリスのようなイメージを出しているそう。

「不思議の国の…」
「不思議の国の…」

最後は、娘さんが小学1年生を迎えた時の様子「サクラサク」。

しんごさんは「春になったらランドセル姿とサクラとらにゃ」と思っていたんだそう。小さな体で背負った、大きなランドセルが印象的になっている。

「サクラサク」
「サクラサク」

ーー今後どういった娘さんを写真に収めていきたい?

ここでの撮影は終わりではなく、中学・高校・成人の振袖・マタニティフォト・果ては孫に至るまで気の長い目標をもっておりますので、引き続き撮影を続けたいと思っております。

これからも日々成長していく娘さん。思い出を振り返った時に、こんな素敵な写真が残っていることは羨ましい。今後、どんな思い出写真が成長記として残っていくのか楽しみだ。

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プライムオンライン編集部
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