「ワクワク感があふれる」背中をとらえた写真が人気

とかく子どもの成長とは早いもの。
成長記録を写真に残している人も多いだろうが、ふと見返してみるとその成長スピードに驚くこともあるはずだ。

皆さんはそんな大切な写真たちを、どんな構図で撮っているだろうか?
おそらくは、“カメラ目線”でポーズを決めているものが多いのではないだろうか。

もちろん、楽しかった記憶は笑顔の写真と共に残したいもの。
しかし今、Twitterで人気となっているのは、顔が見えないこんな写真なのだ。



「息子1歳がはじめての場所に飛び込む写真を撮るのが趣味なんだけど、興奮してワクワクがあふれちゃってる小さい背中見て」

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写真に収められているのは、投稿者のイミー(@13imi)さんの1歳になる息子さんの背中。
そのひとつが、芝生の上に立ち、目の前に張られたテントに向かって駆け出そうとしている瞬間の姿だ。

カメラに背中を向けているせいで表情はわからないが、両手を広げ足を踏み出そうとしているその背中からは、イミーさんのコメント通り「ワクワクがあふれ」、おそらく満面の笑みを浮かべているであろうことがビシビシと伝わってくる。

子どもの顔が写っていないことが理由と思われる、冗談交じりの「おじいちゃん、おばあちゃんには不評(笑)」とのコメントもあったが、「子どもの背中を撮ってるの、自分だけじゃなかったんだ」「父親はなぜ子の背中を撮るのか……」と、共感の声が続々寄せられた、この写真たち。


まるでドラマのワンシーンのような写真テクニックと、パパとして「子どもの背中を撮りたくなる」魅力について、詳しくお話を聞いてみた。

「その背中があまりに楽しそうで」

――なぜ「背中の写真」を撮り始めた?

きっかけは1歳ごろから息子が歩き始めたことです。夫婦で育休を取っているのでありがたいことに毎日ちょっとずつ歩くようになる姿を見ていました。
初めて公園で歩いたときは、息子が自分の足で世界に出ていっている気がして感動しながら写真を撮りました。(このときは普通に正面から)。最初はよちよち歩きだったのに気づけばもう大変。もともと好奇心旺盛&力・体力がすごい子だったんですが、新しいものがあると好奇心のままにあっちこっちにピューッと走っていってしまって。あたふたしながらも、その背中があまりに楽しそうで息子を追いかけながら写真を撮ったのが「息子の背中」の写真を撮り始めたきっかけです。



趣味で写真を撮っているというイミーさん。
低めのアングルから背中を写し、視線の先に景色の広がりを感じさせる構図など、もしやプロのカメラマン?と思わせるテクニックが光っているが、カメラ歴は「息子が生まれてから撮影が増えたので、そういう意味では1年ちょっと、歩き始めてからは4ヶ月程度です」とのこと。

撮影には主にスマートフォンやOsmo Pocket(手持ちの小型カメラ)を使っているとのことで、特別な機材は使用していないそうだ。


しかし、この写真を見たユーザーからは「かわいらしすぎる…」「わくわく感が伝わってくるいい写真!」と絶賛の声が次々寄せられ、「#息子の背中」「#娘の背中」というハッシュタグも登場。
このハッシュタグを使い、小さい子どもを持つユーザーたちからの投稿が相次ぐ、一大ブームも巻き起こっている。

そこで、こんな写真を撮りたい!という人に向けて、構図のポイントをお聞きした。

子どもの目線で撮るのがポイント

――どんな点にこだわって撮っている?

息子が主役になるように以下のポイントを大切に撮影しています。

・息子の目線で撮る
・息子をど真ん中に配置、左右や奥に息子が楽しんでいる景色や物を配置(好きな構図です、息子が未開の地に切り込んでいっているように写せます)
・カメラのガイドを利用して左右均等にする
・ボケ感を使って奥行きを出す

撮影はほとんどPixel3XL(Google製スマートフォン)のポートレートモードです。AIカメラのボケ感がすごく良くて、それっぽく撮れるのでオススメです。
新しい場所、新しいものを見た瞬間が一番嬉しそうにするので、最近はカメラを構えるのが習慣になっています(笑)

撮影のポイントは、子どもの視線の高さにカメラを合わせること。
さらに、興味を持っている対象物を画面の奥や左右に配置することで「未開の地に切り込む」ような構図が完成!

加工をしなくても自然体の「ワクワク感」が伝わる背中に、これらのテクニックを合わせることでさらに魅力的な写真になるのだ。

魅力は「興味も一緒に記録できる」こと

――ハッシュタグが作られるなど、大きな反響がありましたが…

本当に嬉しいです。パパ友が作ってくれたタグなのですが、このタグでたくさんの息子・娘の好奇心旺盛な背中や大きく成長していく背中を見れて、タグを追うだけでニヤニヤしてしまいます。
この構図真似したい!このロケーション行きたい!と言ってしまうような写真がたくさんあって真似したくなりました。
子どものことなのでプライバシーへの注意は必要ですが、タグをきっかけにより気軽に子どもの成長・可愛い姿や親子で楽しいスポットを共有できるといいです。



そして、「背中の写真」ならではの嬉しいポイントもある。
それが、顔が隠れる構図のため「SNSで共有しやすい」ということ。

顔を写さなくとも表情がわかるだけでなく、顔を写さないからこそ「多くの人と共有できる」という点が、大きな広がりを見せたひとつの理由だろう。



――ではズバリ、「我が子の背中」を撮りたくなる理由は?

背中から息子の視線の先にある物を一緒に撮ることで、息子の「興味」も一緒に写真に記録できるからです。息子の成長の中で息子自身の興味を大事にしています。
息子が何を見ていて、何に興奮しているかを、写真を見て思い出せていいです。

記念であるだけでなく、大事な記録にもなる写真。
イミーさんは息子さんが歩き始めてから1日1カット以上「背中の写真」を撮っているということで、撮りためた写真は現在150枚以上。
現在はパパ友やその子どもたちと交流するイベントにも参加しているとのことで、これからは「一緒に成長していく“みんなの背中”を撮っていけたら嬉しいです」とのこと。

また、これらの写真はいずれ成長した息子さんにぜひ見せたいとのことで、「『覚えていないだろうけど、こんなにいろんなところに行ったんだぞ!』と言いたいです」とコメントしてくれた。


自分では覚えていないかもしれない、「はじめての場所」との出会い。
きっと何より嬉しい贈り物になるだろう写真を、これから撮ってみてはいかがだろうか。

(イミーさんが運営する、育休・新しい休み方を考えるWEBメディア「YASUMO(ヤスモ)」はこちら

プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。