ドコモが値下げ 他社にも影響か

5Gを使える大容量の料金プランを1000円値下げ。

NTTドコモは現在、5Gの料金プランについて、100GBまでで、月額7650円としているが、来年4月1日から、1000円引き下げた6650円で提供し、データ利用量を無制限にする。

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4Gでは、現在、30GBまで月額7150円としているが、60GBまで6550円で提供する。

今月発表した20GBで月額2980円の新プランに続くドコモの値下げは、他社の対応に影響を与えそうだ。

すぐに5Gに移行しない? 日本の事情

内田嶺衣奈キャスター:
最大手のドコモがいよいよ5Gの値下げということですが、どうご覧になっていますか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
これだけ大きく値下げすると、「5Gの普及は一気に加速するのではないか?」
こんな期待感も高まるのですが、一方でなかなか一足飛びに5Gには移行できない日本の事情もあるのです。

私どものデロイトトーマツグループの調査をご覧いただきたいのですが、「もし仮に今5Gが利用できる環境にあったときにすぐ乗り換えますか?」
こういった問いに対する回答なのですが、ご覧いただいている通り中国であるとかドイツとかヨーロッパ諸国に比べて日本の回答の割合が低いのですね。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
どうして低いのかということで、もう1つ興味深いデータをご紹介します。
こちらは「現状の通信環境にどれだけ満足しているか?」という調査です。

こちらは3Gだとか4Gだとか、「今使っている通信環境が外出している場面においてどれぐらい満足度を得ているか」
ご覧いただくと、大半が満足している、不満というのは約1割も満たない。
こういった結果が見て取れるのです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
すなわち日本というのは、現状の段階でもそれなりに高いレベルの通信環境が整備されているので、多くの方々が満足している。
こういった実情があるのです。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
したがってこの5Gに移行する上では、それ以上のメリットがないとなかなか移行しにくい。
それが実情ではないかと思います。

5G普及のための3つのポイント

内田嶺衣奈キャスター:
確かに私も満足している人の1人だと感じるのですが、満足している人が多い中で5Gを普及させていくためには、どういったことが今後必要になってくるのでしょうか。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
まずは使えるエリアをしっかり拡充することが大事です。
どこでも使えるような環境整備がまず大前提だと思います。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
その上で、使えるためのメリットを感じられる魅力的なコンテンツができていく。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
また遠距離で同時に使うような産業とか社会的なニーズ、ここのところはしっかりと高まっていて使えるメリットを感じられる場面が増える。

デロイトトーマツグループCSO 松江英夫氏:
ここが加速していく上でのカギになると思います。

したがって値段も大事な鍵ですけれども、使ってメリットを得られる環境整備は非常に大事になってくると思います。

内田嶺衣奈キャスター:
松江さんのおっしゃるように、5Gのメリットをユーザー側が多く感じられるような魅力的なコンテンツが増えていくことはとても楽しみです。

そしてやはり何といっても、5Gの普及によって遠隔医療を待つ人たちなど困っている人たちを助ける手立てが今後増えていくことを期待したいと思います。

(「Live News α」 12月18日放送分)