秋田県八郎潟町の前の町長が、病気で意思表示ができないまま不信任決議で失職したことを受けて、総務省は30日、自治体の首長が病気などで回復の見込みがないと判断された場合、議会への報告などを終えた上で退職できるようにするとの見解を示しました。
藤井総務大臣:
「意識不明で近い将来に回復の見込みがないような場合と判断される場合には、地方自治法および公職選挙法上、当該状態を長が『欠けた』と解することは差し支えないこと。このような判断をするにあたっては、事前に議会の議長に十分な情報提供を行うことや議会に対する報告を行うことなど、判断の妥当性を担保する手段を取ることが望ましいことなどについてお示しする」
藤井大臣は30日の記者会見でこのように述べ、病気などで意識不明となった首長が、医師から回復の見込みがないと診断された場合、議会への報告などを終えた上で退職が可能になるとの見解を示しました。
八郎潟町では2026年2月、前の町長が公務中に倒れて意識が戻らない状態が続きました。
地方自治法の規定では、市町村長が退職するときは自ら議長に申し出る必要がありますが、病気で意思表示ができない場合の規定は設けられていません。
八郎潟町ではその後、やむを得ず議会の不信任決議案が可決され、前の町長は自動失職しました。
町や県は、家族の申し出や医師の診断を踏まえて退職が可能となる新たな規定を設けることなどを盛り込んだ要望書を、総務省に提出していました。
総務省は30日、各自治体に通知を出した上で、今後、法制化を視野に検討を進めるとしています。
総務省の示した見解を受けて、秋田県の鈴木知事は「ご対応いただいたことに感謝申し上げる。八郎潟町と同様の事例が生じた場合に、お示しいただいた現行法の解釈により、円滑かつ適切な首長交代ができるものと考えている」とコメントしています。
