富山空港で課題となっているのが利用者の減少です。
ピーク時の2004年、空港の年間利用者は約139万人でしたが、昨年度は38万人ほどにとどまり、なんと「7割減」。
こうした状況に歯止めをかけようと、県は半年前、空港の運営を民間に委託し、3カ月前には愛称を「富山高山すし空港」に変更しました。
空港はどう変わろうとしているのでしょうか。
今年4月に民営化された富山空港。まず目につくのは、飲食店の変化です。
富山名物のブラックラーメンにシロエビなどを使った寿司。
今月1日、空港の2階にリニューアルオープンしました。
さらに1階には、本格的な握り寿司が味わえる店が26日にオープン。
「寿司」を盛り込んだ愛称にふさわしい場所へと変わりつつあります。
また、今月からは東京のAI・データ分析会社が空港内にオフィスを構えました。
富山空港の運営会社もこの会社に物販など様々なデータの分析を依頼していて、利用者増加や利便性向上策の提案を受けることになっています。
*富山空港内にオフィスギックス 釣谷侑司さん
「空港の場所にオフィスを構えられるというのは、シームレスな支援ができる」
この会社の富山オフィスは東京、大阪に続き3カ所目で、今後、県内の人材を積極的に採用する方針です。
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「ありがたい。こうやって(店舗やオフィスが)充実してもらえるのは」
空港の運営を担う「富山エアポート」の岡田信一郎社長です。
2019年に民営化した和歌山県の南紀白浜空港を再生させた実績を持ちます。
富山空港の運営を任されて半年。今後、土産物店の大幅リニューアルに着手する計画です。
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「土産物店を変えようと思っている。今は懐かしい昭和な感じがしているが、おしゃれな土産物店にしようと思っている」
客のニーズに合わせて売り場を再編し、開放的な空間に刷新。
さらに、ラウンジも出発客が立ち寄りやすい場所に移転する予定です。
岡田社長が力を入れるのは施設の改革だけではありません。
こちらの自動販売機。飲み物を買うには、少し変わった条件が…
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「二人で同時にカードをかざすとドリンクが買える。社長の奢り自販機になっている」
民営化に伴い、滑走路などを管理する部門とターミナルビルを運営する部門が一体化。
自販機は、職員の交流を深めるため導入されました。
別々だったオフィスを一つに集約し、連携や業務の効率化を図ります。
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「社長室は必要ないので、大広間にして全員がここで働けるようにする」
社長室も廃止にする予定です。
さらに、制服には、地元スポーツチームのユニフォームを採用し、地域との一体感を生み出すねらいです。
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「まず変えるべきなのは働く人の気持ち、やりがい。そういった部分。空港に来て(雰囲気や店舗が)きっかけで飛行機に乗る人へ転換してもらえるかどうか、そこが勝負」
ではこの半年、空港の利用者は増えたのか。4月から9月の上半期の比較では昨年度を3.2%と、わずかに上回りました。
8月には台北便が6年半ぶりに再開。韓国からのチャーター便の運航などが影響したとみられます。
しかしー
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「何も変わっていない。利用客という意味では変わっていない。たまたま海外のチャーター便が多い(利用者数は)急に動くものではない」
7月には空港の愛称を「富山高山すし空港」に変更。さらなる利用者の増加を目指します。
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「『寿司といえば富山』ということで、寿司をPRしているわけだから、外国人の方も含め、日本人も、寿司を食べに富山に行こうと」
一方、利用者の増加を目指して県が打ち出したのが、高山市へのタクシー料金の補助です。
*新田知事
「県境にとらわれず広域的に周遊をしてもらう。そのために富山と飛騨高山を一体的な観光エリアとして発信していく」
愛称に「高山」が盛り込まれたものの、空港からの直行バスはなく、二次交通が課題となっています。
富山市から片道4万円ほどかかるタクシー料金を実質1万円にする計画でしたが…
*県民
「富山の税金で高山に行く補助するというのは違和感がある」
県議会からも、「富山を素通りされる」といった指摘が相次いだことから県は、利用条件を見直しました。
富山空港に到着した翌日から1週間以内とし、富山市以外からの利用には補助額に上限を設ける方針です。
タクシー業界からは、料金の補助に期待する一方、「わかりやすい制度にしてほしい」との声があがっています。
*県タクシー協会 土田英喜会長
「助成をしてもらえるのは、業界としてありがたいと感じる。制度としては、乗務員も含めて理解しにくいところがあると感じている」
富山空港から高山までのタクシー料金の補助は来月から始まる予定で、詳しい利用条件は近く発表される見通しです。
県内唯一の空の玄関口は再び活気を取り戻すことができるのか…
今後、成果が問われます。
*富山エアポート 岡田信一郎社長
「県民が『空港良くなったね』と言ってもらえること。数字なのかわからないが、自慢できるような誇れるような空港を目指す。(乗り入れする)路線かもしれないし、空港の中の雰囲気かもしれないが『おらが町の空港はすばらしい』と言ってもらえるようになれば良い」
