福井市東郷地区の農家が毎年、この時期に行っている新米プレゼント企画が今年も始まっています。今年は量を3倍に増やし300キロを用意しています。企画は2年前、コメ不足による値上がりを背景に消費者を応援しようと始まりましたが、今年は一転してコメ余りによる値下がりに直面し、企画の意味合いも大きく変わりました。農家の思いを取材しました。
福井県内でも有数のコメどころ福井市東郷地区。地区でとれたコメはもちもちした食感で甘みが強いと評判です。
そんな東郷地区で新米のプレゼント企画を考えたのが農家の中嶋直太さんです。
「例年は100キロをプレゼントしていて、応募がすごく続いていた」
今年で3回目となるこの企画。東郷産のコメのPRや家計の助けになればと考え、地元で町おこしをしている仲間と一緒に企画したところ、去年はコメの価格高騰も相まって全国から3000件を超える応募があるなど大きな反響を呼びました。
去年までは中嶋さん1人で100キロの新米を用意していましたが、今年は変化が―
「去年までは1人で100キロを出して自腹でやっていたけど、それを見た東郷地区の方々が協力するよと言ってくれて、今回は300キロをプレゼントする流れになりました」(中嶋さん)
地域の協力で農家自慢の新米が100キロから300キロにパワーアップした今回のキャンペーン。一方、コメの価格も去年から大きく変化しました。
農林水産省の発表によりますと、全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は、10週連続で値下がりしています。
「どちらかというと『もう田んぼやめるわ』という農家が多いので、コメの価格が下がって放棄される田んぼが増えることを非常に心配しています。 どこかでまたコメ不足になるタイミングが来るだろうと思っています」
そう話す中嶋さん自身も厳しい経営が続き、本来であれば少しでも価格をつけて販売したい局面です。
「農家としてはコメの値下がりはすごい大打撃で、経営が厳しくなったという声もよく聞く。そんな中で、自分たちだけが得をすればいいのではなくて先に自分たちから皆さんに(東郷のコメを)知ってもらうということが大事だと考えています」
コメの価格が値下がりしているからこそ東郷のコメの価値をPRする必要があると考え、今回の企画に生かした中嶋さん。
新米プレゼントの応募は「東郷ふるさとおこし協議会広報部」のインスタグラムで11月いっぱい受け付けていますが、現時点ですでに2500件を超える応募がある人気ぶり。地域を巻き込んで将来の農業を担う若手農家のチャレンジが注目されています。
