2018年に富山市の奥田交番で2人が殺害された事件の「差し戻し審」で、26日から証人尋問が始まりました。初日は被告の精神鑑定を行った医師が出廷し、「犯行時の精神状態」について質問が集中しました。
7回目の差し戻し審、精神科医が出廷
元自衛官の島津慧大被告は2018年、富山市の奥田交番を襲撃し、稲泉健一警部補を刃物で殺害。その後、奪った拳銃で、小学校の前にいた中村信一さんを射殺したとされています。
1審の富山地方裁判所は、「殺人罪」と「窃盗罪」の成立にとどまるとして、無期懲役の判決を言い渡しました。これに対し2審は、「強盗殺人罪」の成立を前提に審理をやり直すよう命じました。

26日で7回目となった差し戻し審に出廷したのは、島津被告の精神鑑定で「自閉スペクトラム症が犯行に影響した」と診断した精神科医です。1審に続き、2回目の出廷となりました。
「狭まっていた状態ではない」
検察側が「被告は犯行時、心理的に視野が狭まっていたのか」と質問すると、医師は「狭まっていた状態ではない」と答えました。
そのうえで、「被告には強いものに対する憧れがあり、警察官と闘って勝利を得たい、という動機ははっきりとした意思」と説明しました。さらに、「他人の気持ちが分からない、1つの考えに固執してしまう、という自閉スペクトラム症の特性の影響と考えられる」と証言しました。
弁護側とのやりとり「没頭していた」

弁護側は「警察官の殺害にこだわっていたとすれば心理的視野が狭まっていたと言えるのではないか」と質問しました。医師は「狭まっていたではなく、(犯行に)”没頭していた”という言葉でいいと思う」と述べました。
被害者の感情「いくら考えても分からないようだ」

裁判員からは「今後、島津被告は、支援などを通して、遺族への謝罪の気持ちが生まれるのか」という質問があり、医師は「ゼロではないが、なかなか難しいと思う」と答えました。
また、被害者の感情については「いくら考えても分からないようだ」と証言しました。
次回は30日に心理学者の証人尋問
次回の公判は今月30日で、心理学者の証人尋問が予定されています。強盗殺人罪が成立するかどうかを含め、審理が続きます。
(富山テレビ放送)

