物価高で小麦粉も値上がりする中、名古屋市港区には、うどんやきしめんが1杯330円の食堂があります。しかも、注文からわずか30秒ほどで完成。安さと早さを実現する昔ながらのうどん店を取材しました。
■早い・安い・うまい…三拍子揃った地域に愛されるうどん店
名古屋市港区。金城ふ頭から車で10分ほどの場所にある「佳津屋(かづや)」は、昭和29年創業の麺料理の専門店です。

メニューはうどん、きしめん、中華そばの3種類と、いたってシンプル。価格は1玉330円、2玉でも440円。エビ天は110円、ハム天は80円と、トッピングもお値打ちです。
驚くのは、安さだけではありません。
客:
「30秒たたないくらいで出てきます」
実際に注文してみると、完成までわずか27秒。早くても、味は間違いありません。濃厚でコクのあるムロアジ節が香る、たまり醤油ベースの名古屋のご当地うどんです。

客:
「小学生のときから通っています。替え玉しても150円なのでコスパが良い」
別の客:
「やはり名古屋人なので、濃いのが好きでこの味が食べたくなる」
早い、安い、うまいと三拍子揃った、地元で愛されるうどん店です。
■市場麺のスタイルで早く、安く、うまく
しかし、小麦粉などの原材料価格が高騰する中、330円という価格を維持するのは簡単ではありません。
3代目の店主:
「家族でやってるので人件費がいらないのと、家賃もかからない」

両親の代からこの地で営業しているため、家賃はかかりません。さらに、両親も店を手伝ってくれるため人件費を抑えられるといいます。
店主:
「あとはたくさん数を売ってるので。『佳津屋』なので、数をいっぱい売るという」
店名の「佳津屋」には、“数をたくさん売る”という思いが込められていて、初代が名付けたといいます。

2代目店主:
「昔は立ち食いに近いようなうどん屋ばかりでした。港区で16〜17軒あった。うちは最後の生き残りかもしれません」
2代目によると、昭和30~40年代ごろ、名古屋の市場には製麺所があり、その多くが「市場麺」と呼ばれ、食事もできたといいます。
「佳津屋」も、そんな“市場麺”のスタイルで長年営業してきたため、市場で求められる早い、安い、うまいがモットーとなっています。

