2026年5月、長野県飯田市の夫婦が、閉店した老舗和菓子店を改装して、茶房をオープンさせました。「茶と和菓子の文化を飯田から発信したい」。そんな思いが店には詰まっています。
■和菓子と抹茶「和の文化は身近」
参加者:
「おいしい」
飯田市の和菓子とともに抹茶を味わいます。
参加者:
「久しぶりに抹茶を飲んで心が癒やされた」
10月7日、飯田市の茶房「季の間」で開かれたイベントです。
季の間・野牧賢司さん:
「高級なものかと思われがちだが、自分の手で作り、和菓子ってこんなに身近なものだと感じ、それに付随してお抹茶を飲み、和の文化が身近だと伝えていきたい」
■「季節の間を感じて」
「季の間」は、飯田市の中心市街地、主税町にあります。
営むのは、市内出身で、建築デザイナーの野牧賢司さん(46)と、妻の美好さん(43)です。
店の名前は「生活の中で、季節の間を感じてほしい」と願い、名づけました。
季の間・野牧賢司さん:
「ゆくゆくは一緒に(夫婦で)仕事をしたいと考えていた。日々気軽にお抹茶を飲んでほしい、和菓子を食べてほしい。和の文化に触れてほしいというところが一番」
■閉店した老舗和菓子店が「茶房」に
この場所には、かつて、老舗和菓子店の「千翁堂」がありました。
「はゝき木」と呼ばれる菓子で有名でしたが、10年ほど前に閉店。
2024年、野牧さん夫婦がこの建物を買取り、リノベーションしました。
和菓子店の雰囲気を残しつつ、茶室とテーブル席を用意。
店でたてた抹茶と、市内の店で作られた和菓子を、セットで楽しめる「茶房」にしました。
季の間・野牧賢司さん:
「誰しも日本の人が持っている感覚があると思う。それをなくさないようにというか、若い人たちにも伝えていけるように」
■「1日1組限定の宿」も併設
建物は4階建てで、1階は「茶房」ですが―。
季の間・野牧美好さん:
「ここからお宿になります」
3階と4階は、「1日1組限定の宿」として営業。
家族連れやそのほかのニーズにも対応できるよう、最大6人まで宿泊可能です。
美好さんが担当しています。
季の間・野牧美好さん:
「この町の旅人から少しだけこの町の住人へというコンセプトで、わが家のように買い物に行ったり、町をぶらぶらしてもらえたら」
■月1回開催の和菓子づくり体験
営業を始めてから、5カ月余りが経ちました。
増田和菓子店・増田佳世子さん:
「ぎゅっとして、少し回すとそぼろ状に」
もっと身近に抹茶と和菓子を感じてもらおうと、賢司さんは月に1度、和菓子づくりの体験会を開いています。
教えるのは、増田和菓子店の増田佳世子さん(43)。
和菓子店で働いていた経験を生かし、4年前に開業。
店舗はなく、イベント販売や予約販売などを中心に営業しています。
増田和菓子店・増田佳世子さん:
「(和菓子は)手作りの良さと優しい素材のおいしさが表現できる、季節を楽しめるので、自分の作った和菓子を一緒に抹茶と食べられる世界観を楽しんでもらえるイベント」
■作っても楽しい和菓子
増田和菓子店・増田佳世子さん:
「下から上に向かってぎゅっと」
和菓子が完成したら茶室へ。
賢司さんが茶をたてます。
もともと茶道に興味があり、4年ほど前に師匠に師事し、習い始めました。
参加者は、自分で作った和菓子と賢司さんがたてた抹茶を味わいました。
参加者:
「和菓子づくりは初めてで難しかったが、丁寧に作るところがすごく楽しくてよかった。(次も)気軽に来られそう」
「(茶や和菓子に)なかなか触れることはないので、こういう機会をつくってもらいありがたい」
■飯田の文化を発信する場所に
「和菓子のまち」といわれる飯田。
それは昔から「茶の湯」の文化が根付いていたからといわれています。
そんな茶の文化をもっと気軽に経験してほしい―。
そして飯田の魅力も知ってほしい―。
「季の間」はそんな夫婦の思いが詰まった場所です。
季の間・野牧美好さん:
「宿に泊まって近隣の飲食店を利用したり、飯田の良さを知ってもらうきっかけの拠点になれば」
季の間・野牧賢司さん:
「飯田には文化もあり面白い歴史もあり、季の間から発信できる、文化や歴史に触れる場所であったら。そこから自分たちの生活や日々の変化に変えていってもらえたら」
