食欲の秋を代表する味覚サツマイモ。毎年この時期に色んな商品が出る人気食材です。
ことしは、ブームに変化があるといいます。進化し続ける、その裏側を徹底取材しました。
■焼きいものシーズン到来 物価高と長雨で販売店は頭を悩ませる
「いしや~きいも~おいも~」
どこか懐かしいメロディーが聞こえてきます。京都で、焼きいもを移動販売をするのは、竹村知紘さんです。
アツアツでホクホクの焼きいも。おいしそうですね!この日は、来週から始まる焼きいもシーズンを前に、試験営業を行いました。
【客】「風情を感じるというか、もうそういう時期かというのはありますね」
4月末まで半年の間、京都市内などで焼きいもを販売します。
【移動する竹村商店 竹村知紘さん】「はいおおきに~」
常連客との会話も大事にする竹村さん。ただ、ことしは心配なことがあるようで…。
【竹村知紘さん】「収穫の時期に雨がたくさん降ったから、例年より小ぶりというのは聞いています。量もちょっと減るのではないかなと聞いています」
さらに、ガソリン代の高騰などで去年は100グラム190円で販売していましたが、ことしは15円ほど値上げせざるを得ません。
【竹村知紘さん】「子供たちがお小遣いで買えなくなるのがいやで、そこをことしはどうやって工夫しようかは悩んでいる」
■かつては「おいしくなかった」サツマイモ
これからの季節に、食べたくなるサツマイモですが、およそ50年前、個人の畑でとれたジャンボなサツマイモをいただくという企画を見てみると…。
【リポーター】「生駒山のふもとにあります、この小さな畑の中に、こんな大きなおいもが採れたんですね。ちょっと持たせてください。これ5、6キロあるんですかね」
この特大サツマイモを蒸すこと2時間、気になるのはその味ですが…?
【リポーター】「それでは、私も試食してみます。ちょっとやっぱり大味でしょうかね。少し甘みが足りないような気もしますけど…。やっぱり私は、もっと形の良いおいも、よく蒸けた方が食べたいですね」
このサツマイモは、大きすぎたというのもありそうですが、当時のものはあまりおいしくなかったようです。
しかし、今は…。
【60代】「昔より今の方がおいしいかな、ねっとりして」
【20代】「スイートポテトとか、スタバなどのおいものドリンクやケーキを食べたり」
■2000年代初頭に誕生した「べにはるか」がブームの火付け役
なぜ近年、サツマイモが人気なのでしょうか?
【焼き芋アンバサダー 天谷窓大さん】「『べにはるか』と呼ばれるしっとり系の濃厚な蜜芋として愛されているイモですが、この『べにはるか』が誕生したのが2000年代初頭」
焼きいもアンバサダーとして、365日、焼きいもを食べる天谷さん。
栽培しやすい「べにはるか」が各地で育てられたことで、それまでとは違う、甘く、しっとりした食感のサツマイモが手に入りやすくなったということです。
その後もサツマイモの品種は、増え続け2000年の28から現在は145にまで増えています。
江戸時代から数えて、今は第4次焼きいもブームとなっているのです。
■しっとり系を経て「昔ながらのホクホク系の焼きいも」人気再燃
今も続くブーム。どうなっているのか神戸市の店を訪ねると。
【記者リポート】「食欲の秋ということで、こちらのお店では、様々な種類の焼きいもがズラリと並んでいます」
全国やきいもグランプリで3度の優勝を飾り、殿堂入りを果たしたこの店。メインの商品は、オリジナルブランド、「里浦ゴールド」など5種類の焼きいもです。
中でも“3種類の食べ比べ”が一番人気だということです。
3種類の中から、まずは「五郎島金時」という品種をいただきます。
【記者リポート】「これは、あっさりしてる中にもイモの香りがあって、スゴイおいしい」
続いては「安納黄金」。
【記者リポート】「全然違う!かなりねっとりしていて、同じサツマイモとは思えないほど、味が違う」
代表の野元さんは、最近のブームの中に“ある変化”を感じていました。
【神戸芋屋志のもと 野元篤志代表】「ネットリ系の『べにはるか』や『シルクスイート』で、『おいも、おいしい!』とはまって、色んな品種食べて結局、帰ってくるのは、ホクホク系のおいもらしい鳴門金時系のおいも」
しっとり系だけでなく、昔ながらのホクホク系の焼きいもの人気が再燃しているというのです。
■焼きいもカレーにグラタン焼いも アレンジメニューが続々登場
さらにことしは新たな変化があるそうで…。
【焼き芋アンバサダー 天谷窓大さん】「焼きいもを材料にしたカレー、焼きいもを割ってその中にミートソースなど入れて、グラタン風のアレンジをしたグラタン焼き芋なんかがあったりして、いわば、焼きいもの“新たなトランスフォーメーション”がみられます。『4.5次焼きいもブーム』と名付けたい」
その変化は、さらに広がりを見せ、ことしは、サツマイモのイメージがあまりない大手コーヒーチェーンやオムライス専門店、さらには、牛丼チェーン店までが、期間限定のサツマイモを使ったスイーツやグルメをこぞって、販売しています。
先ほどの焼きいもの店でも、サツマイモとソフトクリームをミックスさせた商品が大人気です。
【客】「めっちゃうまいっすね!イモも自然な甘みが食べやすくて、おいしい」
■大阪産サツマイモ“夢シルク”
毎年、新しいものが2、3品種出るというサツマイモ。
そんな中、「大阪で新たなブランドいもを作り始めた人がいる」と聞き、取材班は、大阪府八尾市へ。
【オオサカポテト 渡邊博文代表】「これが大阪産のサツマイモ“夢シルク”です」
ここで3年前から生産しているのは、ブランドいもの「夢シルク」。
(Q.なぜ夢シルクを?)
【オオサカポテト 渡邊博文代表】「耕作放棄地という、使っていない畑がどんどん増えてくという話と、子供たちのいも掘り体験が、どんどんなくなってるという話を聞いたので、その2つの課題が解消される農産物を作りたいなと。夢から生まれたサツマイモ『夢シルク』と名前をつけました」
「夢シルク」は、なめらかな食感が特徴の『シルクスイート』という品種を育てて収穫したあと、30日以上、熟成させたもの。
結果、どんな味になるのかというと…。
【オオサカポテト 渡邊博文代表】「リッチな濃厚な甘みがするのと、シルクというだけあって絹のようなすごく滑らかな食感。天ぷらにしていただくと、サクッとした後にとろっジュワ~みたいな甘みが来るので、天ぷらは抜群においしいですね」
ことしは、大阪府内4地域で、あわせて200トンの収穫を目指す「夢シルク」。
【オオサカポテト 渡邊博文代表】「学校給食にも出していただいているので、子供たちにも『夢シルク』とか『オオサカポテト』と呼んでもらえて、ちょっとずつ人気になってきているのかなと思います。本気でたこ焼き・串カツ・サツマイモと言われるような大阪の新しい文化を作りたい」
■「毎日食べても飽きない」焼きいもブームは無限大
では今後、ブームはどうなっていくのでしょうか?
【焼き芋アンバサダー 天谷窓大さん】「焼きいもは今、食べ方の進化がすごいことになっている。焼きいも好きとしては、楽しみ方が無限大に広がっていって、ほぼ毎年新しい食べ方が生まれているので、本当に毎日食べても飽きない」
焼きいもブームは、まだまだ盛り上がりそうです。
(関西テレビ「newsランナー」2026年10月15日放送)
