3組に1組が離婚する時代。実はいま、“熟年離婚”の割合が過去最高となっています。
離婚カウンセラーによると、“熟年離婚”において、修復のステップを経ずに離婚へと進むケースが増えていて、「別れを切り出すのは7~8割が女性」だということです。
背景には何があるのでしょうか。“熟年離婚”の現実と対策に迫りました。
■熟年離婚の割合が過去最高に
今、日本では3組に1組が離婚する時代を迎えています。
9月に発表された厚生労働省の人口動態統計によると、離婚全体の件数は2002年をピークに減少傾向にあります。しかしその一方で、20年以上連れ添った夫婦が別れる“熟年離婚”の割合は過去最高の24.2%を記録しました。
街頭でインタビューに応じた夫婦の多くは「大きな衝突はない」「我慢はあるけど」と苦笑いで答えます。
しかし結婚18年で離婚を経験した40代女性は、「価値観が合わなくて2年前に離婚しました。24時間一緒にいたのが、段々苦痛になってきて」と当時のことを思い出し、涙をこぼしました。
■ 別れを切り出すのは7〜8割が女性
35年以上にわたって離婚のカウンセリングを手がけてきた離婚カウンセラーの岡野あつこさんのもとにも、熟年離婚の相談が増えています。
岡野さんが指摘する大きな特徴の一つが、離婚を切り出すのは7割から8割が女性だという点です。
【離婚カウンセラー 岡野あつこさん】「離婚の準備してみようか、『修復をやってみようか』というのを飛ばすことが多くなってきました」
修復のステップを経ずに離婚へと進むケースが増えていて、熟年離婚の特徴として、別れを切り出すのは7~8割が女性だということです。
■ 「家がスカスカになって」 突然一人になった男性の現実
熟年離婚の現実とはどのようなものなのでしょうか。
大阪市内でバーを営む“まっちゃん”さん(50歳)は、去年、20年以上連れ添った妻と離婚しました。原因の1つになったのは、生活リズムのすれ違いが長年にわたって積み重なったことでした。
【去年離婚した”まっちゃん”(50)】「別れる別れへんは言われずに、荷物を持って出て行って、帰ってきたら(妻が)いなかった。家がスカスカになって。いて当たり前みたいな存在だったんで、こんなことになるんやって」
自宅には洗濯物が積み上げられたままに。クリーニングに出すことも後回しになり、休日には一人でご飯を食べる日々だといいます。
【去年離婚した”まっちゃん”(50)】「家に帰ってきて人がいない。暗いままで帰ってくる。気持ちを察しきれていなかった後悔はある」
“まっちゃん”さんのように、長年連れ添った妻と突然離婚することになった男性は、元気がなくなってしまう人が多いようです。
■ 「自由になりたかった」離婚を選んだ女性
一方で、自ら離婚の道を選び生きてきた女性は、違った状況にあります。
74歳の岡田照子さんは、52歳のときに18年間一緒に過ごした夫と離婚しました。夫からの言葉の暴力や、子供への厳しいしつけが理由でした。
【岡田照子さん(74)】「私らには手は上げないけど、言葉の暴力がすごかった。『飯食わしたってる』とかね」
離婚後、岡田さんは様々な仕事をこなし、自らのスキルアップを続けました。現在はアクセサリーのワークショップを行うなど、生き生きとした日々を送っています。
【岡田照子さん(74)】「再婚なんて考えていなかった。自由になりたかった。私がやったことは正解かどうか分からないけど、私自身は(離婚は)正解でした。正解にしていかないとあきません」
■ 女性の社会進出が熟年離婚を後押し
専門家は、熟年離婚が増加している背景として、女性の社会進出と長寿化を挙げています。
【離婚カウンセラー 岡野あつこさん】「長生きする時代になってきた。女性が経済的に社会に出て、パート・正社員で働く時代になってきた。女性が我慢しない時代になってきた」
経済的な自立を果たした女性が、長い老後を自分らしく生きるために離婚を選ぶ。そうした選択が増えている人が増えているといいます。
■ 法律の専門家が指摘する熟年離婚の落とし穴
熟年離婚には、法的なリスクも潜んでいます。
【みお綜合法律事務所 小川弘恵弁護士】「熟年離婚でとても難しいのって、財産分与。隠すんですよ。通帳を見せたときに、『あれ?もっとあったはずじゃないの?』(というトラブルが)よくある」
長年にわたる婚姻生活では財産の把握が複雑になりやすく、離婚の際に相手の財産が見えにくくなるケースは珍しくないといいます。
■ 熟年離婚のサイン 気づくことの大切さ
では、熟年離婚を未然に防ぐことはできるのでしょうか。
岡野さんは、妻のある変化がサインになると言います。
【離婚カウンセラー 岡野あつこさん】「『あなたこういうところがダメよ』とか、『こうして』とか言ってたのが急に黙る。
おとなしくなったのは喜んでる場合ではない。奥さんが(離婚の)準備を始めたな、準備が終わりつつあるぐらい。そこではご主人は慌てないといけない」
「妻や夫の小さな変化に気づくことが大切だ」といいます。
■ 離婚後の新たな出会い 中高年の婚活が活況
熟年離婚の増加とともに、中高年を対象とした婚活市場も活気を帯びています。
大阪市内で開かれた40代以上を対象とした婚活イベントには、離婚を経験した参加者が多く集まりました。
おととし離婚した59歳の女性は「やっと自分の自由な時間ができたので、これから自分の楽しみを見つけたい」と話します。
この日は10人対10人のイベントで、5組がカップル成立となりました。イベントを主催する茜会の木村真由子店舗マネージャーは、参加者の動機をこう語ります。
【茜会店舗マネージャー 木村真由子さん】「離婚を経験されて、1人よりも2人の方がより充実して、この先の人生歩めるんじゃないかなと思って、パートナーを探される一歩を踏み出される形が多い」
(関西テレビ「newsランナー」2026年10月12日放送)
