自転車の交通違反に反則金を課す「青切符」制度が導入されて半年が経過した。福井県内で検挙された違反192件のうち、実に95%以上を「ながらスマホ」が占めるという実態が明らかになった。自転車通学をしている若者からは「見つからないと思う」「無意識に触ってしまう」といった声が聞かれ、制度の課題を浮き彫りにしている。
検挙の96%は“ながらスマホ” 知っているのにやめられない若者たち
自転車利用者への青切符制度は、交通事故を減らすことを目的に、2026年4月に導入。県警によると、8月までの5カ月で192件が検挙された。
その内訳を見ると、ながらスマホが95.8%(184件)、一時不停止が3.6%(7件)、信号無視が0.6%(1件)と続く。ながらスマホには1万2000円の反則金が科される。
県警が5月に県内の高校生を対象に行った意識調査では、交通ルールに関する正答率は9割を超え、ルールそのものは広く認知されているといえる。その一方で、実際の違反者の半数以上は高校生や大学生といった若い世代が占めている。
県警本部交通企画課の竹内健次席は、「基本的な交通ルールの周知・広報については一定の効果が現れている」としつつも、「違反だと認識していても交通ルールが守られていないという現状を、もう少し考えていかないといけない」と課題を口にする。
「癖ですね…」スマホを手放せない若者
街頭で、自転車をよく利用する高校生に話を聞くと―
「実際に罰金を取られた子がいると聞いた」と危機感を持ちつつも「見つからないと思うと(触ってしまう)」という本音も聞かれた。
「癖ですね、マジで。夜とか誰もいないし」「LINEを返したりとか。通知が来たら振動で分かるんで、それで見たりとか」と話す。スマホ操作が日常に深く根付いていることが分かる。
さらに「無意識に触っちゃいます」と語る高校生も。
ルールを知っていながら守れない背景には、「意識していないうちに手が動く」という習慣化の問題があることが見えてくる。
一方で、「警察の見回りを増やすと、みんな意識すると思う」という声も聞かれ、取り締まりの重要性を上げる声も聞かれた。
事故は減らず…8割が自転車側に違反
青切符制度の目的は交通事故の削減だが、2026年4月から8月までに県内で発生した自転車が絡む事故は39件と、前年同月比で2件増加している。
つまり、反則金を伴う青切符の導入後も事故が減っていない状況だ。加えて、2025年に県内で起きた自転車が絡む交通事故のうち、約8割で自転車側に交通違反があったことも明らかになっている。
県警は今後の対策として、SNSなどを活用したさらなる啓発活動、交通安全教室の実施、そして街頭での見回り活動の強化を掲げている。
交通違反は事故に直結し、命に関わる。その認識を「自分ごと」として持つことが命を守ることになる。

