2026年1月から9月までに発生した和菓子店の倒産が22件となり、これまで最多だった2025年を上回る過去最多ペースで推移していることが帝国データバンクの調査により分かった。原材料高や人件費高騰の一方で値上げが難しく、老舗でも苦境に陥る例が相次いでいる。
2026年の倒産の例では、看板商品の「加賀の巻絹」で知られた石川県金沢市の老舗「高砂屋」や、神奈川県横須賀市で「よこすか焼き」などを販売していた「いづみや」など、地域に根差した和菓子店の倒産も相次いだ。2020年以降の倒産138件を業歴別にみると、創業100年以上の和菓子店が17%余りを占め、50年以上の老舗では全体の半数に上るなど、長年続いてきた店の苦境が目立っているという。
倒産増の背景には、小豆や砂糖、もち米といった原材料価格の高騰に加え、包装資材や光熱費、人件費の上昇がある。さらに、和菓子は日常の茶請けや贈答品として購入されることが多く、値上げへの抵抗感が強いため、コスト上昇分を販売価格に十分転嫁できないケースが多いと分析されている。
そして若年層の和菓子離れや顧客の高齢化が進み、冠婚葬祭の簡素化による贈答需要の減少、職人の高齢化や後継者不足による技術承継の問題も、事業継続の断念につながっているという。
その一方で、インバウンド需要を取り込む観光地の店舗や、ネット通販、ふるさと納税を活用して販路を拡大する和菓子店など好調な店舗も少なくなく、フルーツ大福やわらび餅、あんことチョコレートを組み合わせた「ネオ和菓子」など、新商品開発で若い世代の支持を集める動きも広がっている。
帝国データバンクは、伝統の味と技術を守りながら、新たな販路や顧客層をいかに開拓できるかが、和菓子店の生き残りを左右する重要な課題だと分析している。
