台風25号が首都圏を直撃して4日目となってもなお、千葉の街では水が引かず、水位が上昇しています。
記録的な大雨で堤防が決壊した印旛沼(いんばぬま)の南側に位置する酒々井町(しすいまち)の住宅街では、1階の半分近くまで浸水した家屋が立ち並びます。
原因は、川の氾濫でも堤防の決壊でもなく、崖崩れによって排水路が破損したことだということです。
インフラの損壊が被害を長期化させている酒々井町から、坂元龍斗リポーターが被害の状況と住民の声を報告しました。
■排水路が壊れ、いまも浸水続く
現地では住宅の1階部分が半分ほど水没しており、玄関先のフェンスや壁はほとんど見えない状態になっています。
空き地だった場所には、2メートルほど水が溜まっていて、至る所に濁った水が広がっています。
【坂元龍斗リポーター】「奥に崖崩れがありまして、車が巻き込まれています」
なぜこの地域がここまで浸水してしまったのか、住民によると、印旛沼の決壊や川の氾濫が原因ではないといいます。
台風の豪雨によって大量の雨水がこの一帯に流れ込んだ後、崖崩れが起き、川へ排水するために設けられていた排水路が壊れてしまったからだということです。
その結果、水の出口を失った雨水がそのまま住宅街に溜まっているとみられます。
十数軒の住宅が浸水していて、国土交通省の担当者も現地を視察に訪れていますが、具体的な排水対策はいまだ決まっていないということです。
■「台風翌日からどんどん増水」現地住民が語る4日間
この住宅街に暮らす保科勇太さんは、台風が過ぎ去った後の経緯をこう振り返りました。
【保科勇太さん】「台風発生翌日からどんどん増水しています。きょうの朝から一気に増えてます」
23日よりも20~30センチほど水位が上がったということです。
【保科勇太さん】「台風上陸後は、ある程度排水は間に合っていたんです。しかし夜になるにつれて水位が上がって、排水ができなくなってきた。一旦は引いたんですけど、だんだんまた水位が上がってきて、いまに至る感じです」
台風が過ぎ去った後に一度水が引いたように見えましたが、山から流れ続ける雨水が排水路の詰まりによって行き場を失い、再び水位が上がったとみられています。
■床下浸水、トイレも使えず…電気も使えなくなる恐れも
台風が通過した直後から、保科さんは自宅の2階へ避難する“垂直避難”を余儀なくされました。
保科さんの自宅は床下浸水の状態になっていて、電気は通じているものの、トイレと排水は既に使えない状態になっていると言います。
電気も「時間の問題」で使えなくなる恐れがあり、予断を許さない状況です。
近隣では、雨の降る中をボートで避難した住民もおり、隣の家の住人は現在も避難所に身を寄せているということです。
千葉県内全体の住宅被害は、きょう=24日午前11時時点で、全壊26棟、半壊33棟、床上浸水464棟、床下浸水212棟に上っており、1万8060軒で停電しているということです。
■「水が引かないとめどが立たない」具体策はいまだ示されず…
自治体側からは「消防車のポンプ」を使って排水する案が提示されていますが、現時点では「やっても意味がない」として実施には至っておらず、具体策は出ていません。
保科さんは9カ月前に「自然豊かな場所が良くて」この地に引っ越してきたばかりでした。
仕事のことも頭にありながら、水が引かない限りは見通しが立てられないと言います。
【保科さん】「やっぱり仕事も心配なんですけども、とにかく水が引いてもらわないと、めどが立たない。日々というか、数時間単位で水が増えてる状態なので、もうとにかく『止める』というよりも『引いてほしい』」
保科さんは涙ながらに「僕たちももう限界」と語りました。
■排水インフラの崩壊 先の見えない日々
台風25号による被害は、千葉県内で死者7人、行方不明者2人など深刻な状況です。
酒々井町の住民は、数時間単位で変わる水位を見守りながら、先の見えない日々を過ごしています。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年9月24日放送)
