人吉球磨地域を走るくま川鉄道が、豪雨から6年2カ月ぶりに、9月20日に全線で運行を再開しました。一番列車には多くの鉄道ファンが集まり、全線再開を記念して走った特別列車は、行く先々で多くの人に出迎えられました。
2020年7月豪雨で被災したくま川鉄道
9月20日、まだ陽ものぼらない時間、くま川鉄道のホームには、カメラを持った多くの人の姿がありました。駆けつけた鉄道ファンは「東京から来ました。くま川鉄道全線再開ということで、ぜひ来ようと」と話します。

そして、午前5時50分、多くの鉄道ファンを乗せた全線再開の一番列車が、人吉温泉駅から湯前駅に向けて出発しました。

『くま鉄』の愛称で親しまれるくま川鉄道は、2020年7月の豪雨で球磨川が氾濫し、列車『田園シンフォニー』が浸水。線路や橋が流されるなど、甚大な被害に遭いました。

2021年11月に一部区間で運転を再開し、残った人吉温泉駅と肥後西村駅の間も、流された球磨川第四橋梁の工事が完了したことから、9月20日に全長24.8キロで運行を再開しました。

記念式典には、木村知事や人吉球磨地域の10市町村のトップなどが参加。そして、関係者が特別列車に乗り込むと、人吉市内の小学生たちの掛け声に合わせて、列車はゆっくりと、そして力強く進み出しました。
6年2カ月ぶりに戻ってきた『日常』
向かう駅の先々では、地域の人たちがホームで列車を出迎えます。また、沿線では、多くの人たちが列車に向かって力強く手を振り、その姿は球磨川の中にも。

そして、人吉温泉駅を出発した特別列車が、終点・湯前駅に着くと、待っていた子どもたちが「おかえり」と声をかけてくれました。

湯前町の住民は「子どものころ、3年間、乗って(高校に)通ったので、(列車が)入ってきたときには目がウルウルした」と話し、子どもも「(くま川鉄道に乗って)公園とか散歩に行ったりする」と話しました。

くま川鉄道も参加する第三セクター鉄道等協議会の西尾浩一会長は「手作りの横断幕に『おかえり』とか『待ってた』とか、本当にびっくりしたし、それだけ愛されていると感じた」と特別列車に乗った感想を述べました。

また、木村知事も「本当にすごい、人吉球磨地域の熱量を感じた。(くま川鉄道の)全線再開を次の肥薩線の『川線』の全線再開は決まっているので、未確定な『山線』も含めて、人吉から八代や新八代、そして宮崎、鹿児島へとつながっていけるよう頑張りたい」と話します。

あの日、失った『日常』が人吉球磨の田園風景に戻ってきました。地域の熱意が一つ実を結び、次の創造的復興につながる原動力となっています。
(テレビ熊本)

