敦賀市の国道8号沿いの本町通りには、夜になると屋台ラーメンが並び名物となっています。ここで30年以上、営業を続けてきた屋台ラーメン「池田屋ごんちゃん」が閉店することになりました。惜しまれつつ、のれんを下ろす店主の思いや常連客の声を生中継でお伝えします。
<中継:田丸萌夕希アナウンサー>
私はいま、敦賀駅から歩いて約10分、国道8号沿いの本町通りに来ています。屋台ラーメンが立ち並ぶ通称「ラーメン街道」と呼ばれる場所です。
ここで30年以上にわたり敦賀の夜を彩ってきた屋台ラーメンの一つ「池田屋ごんちゃん」が、8月15日の営業を最後に店を閉じることになりました。
閉店を前に、今夜もその味を求めて多くの人が行列を作っています。「1993年の創業当時から通っている」「遠方から毎週来ている」といった方もいます。
多くの人に惜しまれつつ、のれんを下ろす店主の思いを聞きました。
(VTR)
敦賀の夜に温かい明かりを灯してきた屋台ラーメン「池田屋ごんちゃん」。店主の権八敏一さん(75)は、ここ敦賀の屋台で30年以上にわたり、変わらない味を届け続けてきました。
創業は1993年。当時、近所にあった屋台ラーメン店の店主から声をかけられ、権八さんは建築関係の仕事を辞めて42歳で店を始めました。
権八さんは「最初はスープの作り方が全く分からなくて、がむしゃらにやっただけ。この味にたどり着くまでには2年かかった」と当時を振り返ります。
試行錯誤の末にたどり着いたのが、醤油ベースに豚骨と鶏ガラを合わせた「Wスープ」です。日中から仕込みを始め、最初の客に提供するまで最低でも6時間煮込みます。多くの客からは「おいしい」「あっさりしている」と評判です。
そんな多くの人に愛されてきた「池田屋ごんちゃん」ですが、長年の立ち仕事で体が限界を迎え、店を閉じる決断をした権八さん。「自分の体調が限界に近づいて、もうこれ以上無理だと。左足に体重をかけられなくなり、ずっと立っているのが辛い」と苦渋の決断を語ります。
それでも権八さんは、33年間店を続けてこられた理由について、こう話します。「常連のお客さんがついてくれて、あの人は麺柔らかめとか固めとか、ネギ多め、ネギ抜きとか、客とのやり取りが阿吽(あうん)の呼吸でできる。それがやっぱり励みになったし、やってこれた理由」
市内外から訪れる常連客も、権八さんの人柄と味に魅了されてきました。京都から毎週通うという人や「ほぼ毎週やね、うまいの一言」と話す敦賀市民。滋賀県から来た人は「ブレないおいしさ、昔からずっと同じ味。これだけ人を集めるのは人柄でしょう」と権八さんへの感謝を語ります。
権八さんは、常連客だけでなく地元を離れた人の心も満たしてきました。「都会に出ている人も帰ってきて寄ってくれる。その人たちにも、もう一度ラーメンを食べてほしい」と最後の1杯まで変わらない味を届け続けます。
(中継)
「池田屋ごんちゃん」の営業日は7日と8日、そして来週14日、15日と残り4日間となりました。天候にもよりますので、お越しの際はご注意ください。
そして「池田屋ごんちゃん」は閉店しますが、この店で3年ほど前から働いているご夫婦が権八さんのスープの製法を受け継ぎます。屋号は変わりますが、8月下旬から同じ場所でキッチンカーの屋台ラーメンを始めるということです。
こうして敦賀の屋台ラーメン文化は、これからも引き継がれていきます。
