平川翔也アナウンサー:
TSKとJALのコラボ企画、スタジオにはJALふるさと応援隊の菊田菜月さんです。
菊田さん、よろしくお願いします。
JALふるさと応援隊・菊田菜月さん:
よろしくお願いします。
平川翔也アナウンサー:
今回は島根の「伝統の技」に触れたそうですね。
JALふるさと応援隊・菊田菜月さん:
奥出雲町で盛んな「そろばん」づくりを体験しました。
後継者不足などが課題となっている「雲州そろばん」、その伝統技術を受け継ごうと奮闘する男性にお会いしました。
奥出雲町の横田地区。
大きなそろばんの玉が目印の建物「そろばんと工芸の館」です。
JALふるさと応援隊・菊田菜月さん:
こんにちは。本日はよろしくお願いします。
雲州そろばん協業組合・岩佐俊秀代表理事:
はい、よろしくお願いします。
迎えてくださったのは「雲州そろばん協業組合」の岩佐俊秀さん。
島根県を代表する伝統工芸品「雲州そろばん」を生産する組合の代表を務めています。
雲州そろばん協業組合・岩佐俊秀代表理事:
ここでは窓越しで見えるようになっていまして、ここでそろばんを作っております。
JALふるさと応援隊・菊田菜月さん:
こちらで作っていらっしゃるんですね。
ここは展示場を兼ねたそろばんの工場、製作の過程を見学できます。
奥出雲町は兵庫県の小野と並ぶ、そろばんの2大産地。
そろばんづくりは、200年近い歴史があります。
100分の1ミリ単位で材料を削り、組み立てられる精緻なつくり、指に吸いつくような玉の感触は一度使うとほかのそろばんは使えないと言われるほどで、「質の雲州」として全国にその名を知られました。
雲州そろばん協業組合・岩佐俊秀代表理事:
いいもの作っているから、きちっと使われたら何代でも使えるから。
JALふるさと応援隊・菊田菜月さん:
Q.奥出雲で作られたそろばんは全部良いそろばんですか?
雲州そろばん協業組合・岩佐俊秀代表理事:
そう。手抜きのないそろばんですから。
そろばん玉を軸に通す工程。
なるべく多くの玉を素早く通します。
9年目の職人・井田百子さん:
底をさらうような感じで、ざくざくと。
菊田さんもやってみました。
JALふるさと応援隊・菊田菜月さん:
なかなか入らないですね。難しいです。全体的に行き渡らすのが難しいです。
やはり、熟練の技が必要です。
1960年代から70年代前半にかけての最盛期には、年間100万丁以上を生産、職人も約800人を数え、「雲州そろばん」はこの地域の経済を支える一大産業でした。
1985年には国の伝統的工芸品に指定され、その製造技術が受け継がれていますが、「電卓」の普及に加え、少子化が進行、子どもたちの習い事が多様化したことなどでそろばんの需要は激減。
2025年の生産量は約2万丁と最盛期の50分の1に。
技を受け継ぐ職人も15人にまで減少しました。
雲州そろばん協業組合・岩佐俊秀代表理事:
寂しいですけどね。実際に私たちを除いて、本当にそろばんを作っている人が15人というのは情けないですけどね。
だけど、ここで作る方がおられないと全国でそろばんをやっている子どもさんが木のそろばんを使えなくなってしまうので。
かつては製造会社の社長を務め、「そろばん」の最盛期を知る岩佐さん。
年々落ち込む業界を支え、伝統を次の時代につなごうと力を尽くしています。
後継者を確保しようと、2022年に職人になりたい人を全国から募集。
北海道出身の信太直人さんが伝統の技を受け継いでいます。
さらに2026年、新たに2人を採用し、そろばんづくりの技を学んでいます。
従業員(5月から勤務):
物を作って、形が残る仕事に魅力を感じた。毎日、充実してやっています。
一方、そろばんの「需要」にも希望の光が…。
雲州そろばん協業組合・岩佐俊秀代表理事:
少しずつ今までよりは余計、注文されるようになった。
大手出版社の調査によると、小学生の習い事で「そろばん」の人気が復活!
2020年の10位から2024年には6位に浮上。
小学生の8%がそろばんを習っていました。
JALふるさと応援隊・菊田菜月さん:
そろばんの良さというのは、どういうところでしょうか?
雲州そろばん協業組合・岩佐俊秀代表理事:
一番プラスなのは暗算力が高まること、それと物事に集中することを覚えたおかげで、ほかの教科にも集中してできるようになって、全体の学力が上がったと(塾の先生が)おっしゃってました。
集中力や算数の力の向上にもつながると、都会地を中心に「そろばん」が見直され、組合でも2024年から受注が上向きだということです。
ただ、別の悩みも…。
雲州そろばん協業組合・岩佐俊秀代表理事:
ある程度、年数立たないと、いいそろばん作れないものですから、思うように増産できない。
200年の歴史が重ねられた技術の継承は一朝一夕にはいきません。
注文の増加に対応するためにも「職人」の確保が急がれます。
雲州そろばん協業組合・岩佐俊秀代表理事:
生産を維持しながら若い人もきちっとやってくれる、就職したいと思える魅力ある産業にしたいと思いますけどね。
平川翔也アナウンサー:
実際に体験してみて、いかがでしたか?
JALふるさと応援隊・菊田菜月さん:
何回か挑戦しましたが、うまくいきませんでした。
技のすごさ、ものづくりの奥深さを改めて感じました。
また、岩佐さんからは「質の雲州」と呼ばれる雲州そろばんが、いかに緻密にできているかを教えていただきました。
この貴重な技術が次の世代にもつながってほしいと思いました。
