防災に特効薬なし…住民たち自ら地区を歩き「防災マップ」の改訂作業 見えてきた課題は?

カテゴリ:国内

  • 宮城県気仙沼市滝の入地区の「防災マップ」の改訂作業が行われた
  • 住民たちが新たな危険個所がないか確認するため地区を歩いて回る
  • 滝の入2区元自治会長「防災には特効薬ない」

「防災マップ」の改訂作業で見えてくる新たな課題

宮城県気仙沼市滝の入地区で13年前に、住民が協力して手作りしたのが「防災マップ」。
ここに新しい情報を落とし込む改訂作業が行われ、新たな課題が見えてきた。

滝の入2区自治会長:
今日は、防災マップの改訂作業をする

気仙沼市滝の入地区。1日、住民たちが崩れそうな斜面など、新たな危険個所がないか確認するため地区を回った。

海からは1kmほど内陸側の、安波山のふもとにある滝の入地区。急な山の斜面に沿うように家が並ぶ住宅地で、約100世帯・200人程が暮らしている。主要道路は1本しかなく、細い路地を入ると、急な斜面を背負うように家々が密集している。

滝の入地区で14年前に起きた住宅火災。地区の狭い道路にポンプ車が入れず、ホースを乗せたリヤカーで対応した。

この火事の翌年、「公的な支援だけでは限界がある」と、住民たちが作ったのが「防災マップ」だった。自分たちの暮らす地区をみんなで歩き、確認した危険個所や避難場所などをマップに落とし込んでいった。

こうしてできた防災マップは全世帯に配られ、今年新たな情報を盛り込もうと、改訂に乗り出した。

1日の再点検では崩れる恐れのある石垣を新たに発見。

住民:
うちの井戸だ。震災の時、みんなここから(水を)汲んだんだ

ーーこういう井戸も、「危険個所」としてチェックしている?

住民:
「危険個所」でなく災害時に使えるよと。

見回りに参加した、住民の小野寺哲朗さん。小野寺さんの家の裏手を案内してもらうと…

山の斜面と接していて、木の根っこがむき出しの状態。危険と隣り合わせで暮らしていた。

小野寺哲朗さん:
大雨が降った時は怖い

小野寺さんは玄関と居間に防災マップを目立つように貼って、避難場所を確認している。

小野寺哲朗さん:
常に頭に入れておかないと体がついてこないと思う。みんな頭に入っていると思うから、そんなに慌てないと思う

再点検では、地区の家々も訪問。
家の脇の水路について相談する人も。

家の女性:
狭いから(大雨の時)ゴーっという音がすごい

見回りの人:
(底が)泥ではないから、土が崩れることもない

14年前、滝の入地区で自主防災組織を立ち上げた当時の自治会長の臼井弘さん。
見回りを終えて感じた変化は…

滝の入2区元自治会長 臼井弘さん:
一番はやはり空き家が多くなってきているということ。私たちが平成17年に自主防災組織を立ち上げた当時の在り方と今と状況が変わってきている。防災には特効薬ない

滝の入地区では、60歳以上の住民の割合が6割を超えている。

人口が減り高齢化が進む中で、災害から地区の住民の命をどう守るか。防災意識が高い滝の入地区でも課題になっている。

(仙台放送)

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