県の虚偽公文書作成問題を巡り、県は西部建設事務所呉支所の災害復旧工事にかかわる記録の中に「嘘」と書かれたファイルが5件あり、そのうち少なくとも4件が虚偽だったと明らかにしました。
【広島県土木建築局・高沖正和建設企画担当部長】
「地権者の方を含めた関係者の皆様、県行政への信用を失墜させたことについて県民の皆様に対して心より深くお詫びいたします」
県は16日、2019年度以降に西部建設事務所呉支所が実施した災害復旧工事に関する記録23件を調査した結果、2021年度の記録7件のうち5件でファイル名に「嘘」と記載されていたと明らかにしました。
このうち、中畑川の災害復旧工事を巡っては作業用の土地を借りるため、実際には地権者と協議していないにもかかわらず、「協議した」とする借地協議録が作成されていました。
県はこの協議録を国土交通省に提出して補助金およそ200万円を増額して受け取っていました。
また、西日本豪雨で被災した船石川の災害復旧工事では、工事用道路のための借地協議録に実際にはすでに亡くなっていた地権者の名前が記載されていたということです。
県は少なくとも4件の虚偽の協議録が作成され、残る1件も虚偽の可能性が高いとしています。
5件の文書作成にあたっては5件すべてにかかわっている職員もいれば、1件しか関わっていない職員もいるということです。
県は組織的な関与の有無について調べるとともに、残りの協議録についても速やかに事実確認を行うとしています。
【国土交通省・中野洋昌大臣】
「虚偽の公文書を用いて国庫負担金の請求を行ったということで極めて遺憾であります。県からの詳細な報告を受けたうえで今後の対応は適切に対処したい」
一方、この問題について中野洋昌国土交通大臣が16日の会見で「極めて遺憾」と述べました。
県からは3日前に虚偽文書の報告を受けたということで、さらに詳しい経緯について速やかに報告するよう県に求めたことを明らかにしました。
全国の自治体にも注意喚起の文書を送ったということです。