地球を思いやり、地域産業の未来を担う素材革命「キノコレザー」に迫りました。
4月、東京の代々木公園で行われたイベント「アースデイ東京2025」。
出店していたブースにあるノートやペンケースなどは革製品のような独特なデザインですが、実は100%キノコの菌糸でできたいわゆる「キノコレザー」の商品です。
キノコの菌糸を培養し、独自の技術でシート状に加工。
育て始めてから約2カ月間で、30cm四方のシート状のものができるといいます。
この技術を開発したのが、長野・小諸市のスタートアップ「MYCL Japan」。
キノコの専門企業4社が立ち上げ、2022年に日本で初めて100%キノコの菌糸由来の素材「KINOLI」を開発しました。
MYCL Japan・志賀英人さん:
(長野県は)日本で一番生産している県なので、きのこ大国だからこそあった技術と出会いがあって、地球環境の変化とか、ものを無駄にしないとか、そういう時代的な流れがあって、菌糸って生き物なので手間暇しっかりかけてようやく出来上がってくる農業です。
キノコ大国、長野県で生まれた日本のキノコレザー。
動物を手にかけることなく生産できる人工皮革「ビーガンレザー」として、文具や財布などの他、家具などにも加工されるなど徐々に広がりを見せ始めています。
代々木公園のイベントにもたくさんの人が集まり、来場者は興味津々。
テントの傍らで行われていたキノコレザーを使ったワークショップでは、来場者は初めてのきのこ体験を楽しんだようで、かわいらしいキノコレザーのキーホルダーが出来上がりました。
今後は壁などの建築資材の開発も検討している他、自分たちだけでなく地元・長野のきのこ農家とも協力しながら、技術や生産能力を高めたいとしている「MYCL Japan」。
MYCL Japanの志賀さんは「きのこの農家生産者がどんどん減っていて、きのこ産業そのものも縮小しているという中で、それを打破するためにはやっぱりきのこの素材というのが世の中にまず広まって、それを誰が作るのってなった時に、きのこ農家さんがすごく重要になってくるんですよね。きのこで衣食住を実現して、よりハッピーなキノコにというのは考えていますね」と話しました。