5月5日は「こどもの日」。
関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、子どもたちから各分野の専門家に聞きたい質問を募集。
ヤクルトで選手・監督を務め、日本野球界を代表する名キャッチャーで解説者の古田敦也さんには、アメリカ・メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースで活躍を続ける、大谷翔平選手への質問が相次いだ。
古田さんは、「二刀流復活」について、各リーグの優勝チームを決めるトーナメント形式の試合=プレーオフにはピッチャーとして「かっこよく出てくる」と予想した。

■古田さんの「後輩たち」に質問を聞くと
質問を聞きに行ったのは、兵庫県の少年野球チーム「川西南ベースボールクラブ」です。
実は古田さんがかつて所属していたチームともう1つのチームが合併してできたチーム!
子どもたちの質問は…
小学6年生:大谷選手はことしも『50-50』(50ホームラン、50盗塁)達成しますか?
小学6年生:『二刀流』はいつ復活しますか?
■「プレーオフでは万全でピッチャーで出る可能性は十分あります」
まず古田さんは「二刀流」復活について解説した。
古田敦也さん:『二刀流』を本当は、今年の春、4月からやる予定だったんです。ちょっと左肩をけがして遅れています。ただ最近はピッチングをまた始めて時速150キロ出ているっていうんで、そのうち復活するんですよ。
いつになるかというと、チームが強いんで、焦ってないんですよ。僕の予想では、夏前にちょっと出てきて、基本的にはバッターに専念して、ちょっとずつ上げて、勝負はねプレーオフ。(リーグ戦後に、順位などに応じて選ばれた各リーグ・各地区ごとのチームがトーナメント制で対戦し、アメリカンリーグ・ナショナルリーグの優勝チームを決めるまでの試合のこと。)10月の戦い、そこに出てくるんじゃないですか。かっこよく!
(Q.ドジャースはピッチャーに故障が多いが?)
古田敦也さん:結構けが人は多いんですけど、チームが首位に返り咲いて、貯金が10ぐらいあるんで(勝ち数が負け数を10上回っている状態で)、余裕があるんで、全然焦る必要はないということなんで、夏に向けて、また夏から秋にかけてちょっと上げていって、プレーオフでは万全で、ピッチャーで出る可能性は十分あります。

■大谷選手は「『サイヤング賞』を狙っている」と古田さん
さらに古田さんは、大谷選手がピッチャーとして「最優秀投手賞」に当たる「サイヤング賞」を狙っているとして、次のよう解説した。
古田敦也さん:『サイヤング賞』っていう、いわゆる最優秀投手賞なんですけど、彼がメジャーで取ってない賞ってそれだけなんですよ。
バッターの方は全部取ったので、ピッチャーのほうまで取っちゃったら、歴史上誰もできない偉業なんで、彼は取りたいと思っているはずです。
(右ひじの)手術も2回したんで、ピッチャーとしてあと何年もつかわからないですけど、30代なって、これから3~4年がピークなんで、その間に何とかその賞を取りたい。
でも今年はちょっともう無理なんで、だから今年は基本的にはバッターで、後半に、来年のためにピッチャーに関しては、来年に向けて調整する形になると思います。
(Q.本格的な二刀流復帰は来シーズン?)
古田敦也さん:そうですね。でも僕、秋には出てくると思います。プレーオフで、ええとこで出てきますよ、多分!主人公過ぎますね!毎回、あの人は驚かせてくれるんで。みんなの想像上いきますからね!
■大谷選手のみ達成「50ホームラン・50盗塁」今季もできる?
もう1つ、「50-50」=「50ホームラン・50盗塁」はことしも達成できるのか?
古田敦也さん:もう『50-50』が当たり前みたいな話ですが、過去に達成したのは彼1人ですよね!130年ぐらいの歴史で、彼1人しかできない偉業をやったのに、もうこれが普通になっているから…『40-40』ですら、(大谷選手入れて)6人しかできていないところなんで、ちょっと『50-50』をもう1回っていうと、非常にハードルが高過ぎて、またけがのリスクが出てくるんで。
(Q.現在盗塁もホームランも数は積み重ねているが?)
古田敦也さん:可能性は十分ありますね。特に彼の場合は6月とか打ち出すシーズンもあるんで、50本ぐらい打つ可能性ありますし、このまま盗塁もね、その気になったら…だから僕たちはね、『それは無理ですよ』って言っておきながら、彼はやるんですよ…。

■ピッチャーを本格的に始めると「盗塁は減る」
古田敦也さん:「実を言いますとピッチャーを始めると、どうしても足のけがのリスクが出ちゃうんで投げられなくなるっていうこともあるんで、ピッチャーをやりだすと、盗塁は減ってくると思います。加えて、例えば中5日とか中6日でピッチャーやるんですけど、その間に1日2日は休むことになると思います。
だからそう考えると50のホームランの方も、数は積み重ねが難しくなっていくんで、今年は基本的にバッター中心でいくことになると思います。
■強いチームだと「ちょっと落ちたピッチャーに出会う ホームラン打ちやすい環境に」
古田敦也さん:(チームには)よくブルペンピッチャー=先発(最初に投げる)以外のピッチャーが7人から8人です。その中でいわゆる『いいピッチャー』=『クローザー』とか『セットアッパー』というピッチャーがいてね。いいピッチャーを残しているんですよ。『勝ちゲームには、このピッチャーが行きますよ』っていうね。
でもドジャースってだいたい勝つ試合が多いんですよ。そうなると、(相手チームは)その中でも、『ちょっとだけ弱いピッチャー』が試合に出て来やすいんです。
4打席目、5打席目とかに相手のいいピッチャー、いわゆるクローザーとかに出会うよりも、ちょっと落ちたピッチャーに出会う確率がかなり増えますから、ホームランを打ちやすい環境になります。
強いチームにいると、ホームランも出やすい。エンゼルス時代はチームが弱かったから、相手のクローザーと戦わななきゃいけないですから。
古田さんによると、今季もバッターとしての活躍が主になりそうな大谷選手。
豪快なホームランは、何本まで増えるのか。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年5月5日放送)