全国各地のおいしい名産品づくりを引き受ける食品メーカーに迫りました。

はじける泡立ち。
ジョッキに注がれる生ビールかと思いきや、本物そっくりなその名も「こどもびいる」。

実は、ここに顧客からのどんなリクエストにも必ず応えるある秘密がありました。

佐賀・小城市に本社を構える「友桝飲料」。

主力商品の1つが全国各地の名産品を独自にアレンジしたご当地サイダーです。

長野県産のシャインマスカット果汁を使ったサイダーや、小豆島名産のオリーブを使ったサイダー。

さらにこちらは福岡・八女市の抹茶をアレンジした抹茶コーラ。
原材料の欄には、しっかりと八女抹茶と記載されています。

友桝飲料・原田裕介取締役:
うちに来れば、とにかく商品化してもらえる。他のところで断られた商品でも商品化してもらえる。飲料だけではなくて食品製造の“駆け込み寺”みたいなイメージですかね。

実はこうした製品のほとんどが、顧客からの要望に応じて商品開発などを一から手掛けるODM(オリジナル・デザイン・マニュファクチャリング)によって生まれたもの。

長年培ってきた独自の開発力と、小ロット多品種に対応した製造ラインを強みに、ここ20年で売り上げ40倍と急成長を遂げてきました。

そのきっかけとなったのが、今から20年以上前に発売した「こどもびいる」。

その名のとおり、見た目は本物のビールそっくりですがアルコール分はゼロ。

子どもでも飲めるユニークなドリンクとして、これまでに累計1000万本を超える大ヒット商品となっています。

当時、福岡市内でもんじゃ焼き店を営んでいた浅羽雄一さん。

こどもびいるは、アルバイトのこんな一言から生まれました。

こどもびいる“生みの親”・浅羽雄一さん:
ガラナというジュースだったんですけど、それを店に置いたところ全然売れない。(バイトの1人が)宮崎では焼肉屋に行くと、大人はビールで子どもはガラナで乾杯するというので、「これビールみたいなものやな」というので、すぐ紙に「こどもビールあります」と書いて張ったところ急に出るようになって、たまたま(友桝飲料の)ホームページを見たら「オリジナル商品作ります」とあったので、メールをして。

その翌日、お店に駆け付けたのが現在の友田社長。

浅羽さんと何度も何度も話し合い誕生したオリジナル飲料「こどもびいる」。

顧客のリクエストに必ず応えるそのビジネススタイルは、こうして築かれていったのです。

こどもびいる“生みの親”浅羽雄一さん:
結局こういうものを作りたいと思っている人と直接会って話をして、何度も何度も話をして。

友桝飲料・原田裕介取締役:
何でもここに言えば、とにかく何かの商品にはできるというところを目指していきたいと思っています。

最近では、アイスの商品化も手掛けるなど商品のラインアップもさらに広がっている友桝飲料。

進化はさらに続きます。