中国で空飛ぶクルマやドローンは「低空経済」と呼ばれ、低迷する景気を盛り上げる救世主として期待されています。
実用化に向け急ピッチで開発が進む空飛ぶクルマや、ドローンが街に設置された宅配ボックスまで食事を届けてくれるフードデリバリー。
今、中国が力を入れているのが、高度1000メートル以下の低い空域で人とモノが移動するビジネス活動「低空経済」です。
中国での市場規模は2030年に60兆円超え。
加速する低空経済の最前線を取材しました。
中国で開催されている「上海モーターショー」。
100以上の新しいEVが披露される中には、空飛ぶクルマの姿も多く見られました。
EVのように見える車体の上にはコックピットが。
トヨタ自動車と合弁パートナーを組む「広州汽車」が開発した空飛ぶクルマです。
乗り込んでみると、ハンドルやペダルが何もなく、目の前にあるのはタッチパネルだけ。
その見た目どおり、地上でも走行ができ、飛行する際はコックピットのみが分離する仕組みだといいます。
「広州汽車」開発責任者・蘇慶鵬氏:
私たちの空飛ぶ車が急速に発展できたのは、70%の技術がEVと一致しているからです。
EVで世界トップを走る中国ですが、開発担当者によるとバッテリーやAI(人工知能)による自動運転など、EV技術の70%を空飛ぶクルマの開発に生かすことができるといいます。
「広州汽車」開発責任者・蘇慶鵬氏:
EVや航空産業のサプライチェーンがあるから、空飛ぶ車の分野でも世界をリードできるだろう。
広州汽車では2025年中に空飛ぶクルマの販売を受け付け、2026年には生産を開始する予定です。