2025年4月29日、北海道コンサドーレ札幌が開催したファンミーティングにおいて、新たなクラブの指針と強化方針が示されました。石水創代表取締役社長、竹林京介フットボール部 部長らが出席したこの日、サポーターに対して事前に受けた質問に回答しました。

 クラブが掲げた新たな”パーパス(存在意義)”は、「赤黒の輪で、北海道の夢をつなぐ」。地域社会とスポーツを通じて未来を結びつけていくという姿勢を表しています。

 会場では、「赤と黒は私たちの誇りであり、北海道の熱狂を象徴する色」と紹介され、このパーパスに込められた意図が語られました。「夢」とは、タイトル獲得やアカデミー育成、新スタジアム、そして地域とのつながりなど、多様な形で広がっていくという考えが共有されました。


クラブ・フィロソフィー:「走る、闘う、規律を守る。その笑顔のために。」

 この日発表されたもう一つの柱が、クラブの“フィロソフィー(行動理念)”「走る、闘う、規律を守る。その笑顔のために。」です。

 このフレーズは、監督交代や戦術変更があっても揺るがない“コンサドーレらしさ”の根幹として位置付けられました。会場では、これに関連して「規律・走力・闘う姿勢」といったキーワードが、選手やスタッフからも出てきたことが紹介され、クラブ全体での共有が進んでいる様子がうかがえました。


実直な強化方針──現状の分析と対応策

 ファンミーティングでは、現在のチーム状況をふまえ、具体的な課題と強化方針が説明されました。

 まず、攻撃面での現状は「ボールは保持できているが、得点に結びつかない試合が多い」と分析しており、対策としては「得点の起点となる新たな戦力の補強を検討中」としています。チャンス構築までは機能しているものの、「最後の崩し・フィニッシュ」に課題があると分析されており、それを解決するためのフォワード獲得を今後のポイントとしています。

 次に守備面では「組織的には安定しているが、最後の守備の局面での粘りが課題」とし、「個の対応力、対人守備に優れたセンターバックの補強を検討中」であると示されました。また、守備力の向上を目的に、特に1対1の場面で対応できる強さと、後方からのビルドアップ能力を兼ね備えた選手の必要性が語られました。


施設と地域連携:「厚別開催」と「まちのミライ」

 現在の経営課題の一つとして試合会場使用料の高さが挙げられましたが、減免交渉を続けつつ、ホームスタジアムは大和ハウスプレミストドームとした上で、2026年から厚別競技場の使用開始が予定されていることも共有されました。特に夏場の開催に向けて、屋外スタジアムの選択肢が現実味を帯びています。

 関連会社「まちのミライ」との連携についても触れられました。同社は出資比率20%台の関連会社であり、今後はキャンプ誘致や自治体との連携を通じ、地域とのつながりをさらに深めていく方向性が語られました。


コアバリューとクラブの姿勢

 クラブが大切にしているコアバリュー(価値観)として、Enjoy(楽しむ姿勢)、
Commitment(やりきる責任)、Open(心と情報の開放)、Family(すべての関係者と家族のようにつながる)という4つが紹介されました。

 特に「Family」については、クラブ・サポーター・パートナー企業・地域の子どもたちまでが“赤黒ファミリー”であるという認識が共有され、「共に歩むクラブ」としての姿勢を再確認しました。

 この日のファンミーティングでは、クラブが掲げるビジョンと戦略を「現場の声」と共に語られ「赤黒の輪で、北海道の夢をつなぐ」という言葉のとおり、北海道コンサドーレ札幌はサッカーを超えた地域の中核として歩もうとしています。

北海道文化放送
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