4月29日は「昭和の日」です。昭和天皇の誕生を祝う日ですが、戦争で命を落とした人を悼む日でもあります。秋田市の神社では慰霊祭が行われ、関係者が特攻隊の攻撃に臨み戦死した、県出身の隊員の霊を慰めました。

秋田市川尻にある総社神社には、戦時中、特別攻撃隊に加わり戦死した県出身者56人の名前が刻まれた慰霊碑がたたずんでいます。

慰霊祭は、慰霊碑が建立された1992年から行われ、29日は遺族の関係者など30人余りが参列し、隊員の霊を慰めました。56人は当時19歳から29歳までの若い隊員で、戦闘機や爆撃機などに乗り込み決死の任務にあたりました。このうち、現在の横手市出身で20歳で出撃した高橋忠海軍少尉の両親に宛てた遺書が読み上げられました。

高橋忠 海軍少尉の遺書:
「父上様、母上様にはご壮健にてお暮しのことと存じます。少しの私の志を送りました。多栄子さんの学用品の足しにしてください。誠に少なくて恥ずかしい次第です。ちょうど散る時期の桜花です。ご期待ください。ではくれぐれもお身体を大切に」

総社神社の川尻孝紀宮司は「先人たちの思いを受け止めて次に伝えることが一番大事。過去を知らない世代の人たちに、当時生きた人たちの気持ちを知っていただいて、次の世代に受け渡せるのではないかという思いでこの祭りを続けている」と話していました。

2025年は戦後80年を迎えますが、慰霊祭に生存者の参列はなく、戦争の記憶を後世に語り継がれることが求められています。

秋田テレビ
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