親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる、慈恵病院の『こうのとりのゆりかご』。4月23日に検証のための熊本市の専門部会が開かれた。このうち妊娠に関する相談は2024年度、その前の年度に比べてやや下回ったことが明らかになった。

妊娠に関する相談件数で熊本市が過去最多

2024年度1年間に熊本県、熊本市、慈恵病院に寄せられた妊娠に関する相談件数は計4115件で、前の年度を158件下回った。

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このうち熊本市への相談は2661件で、前の年度に続き2024年度も慈恵病院への相談件数を超え過去最多となった。

熊本市は「匿名で夜間も受け付ける、妊娠内密相談センターを2023年度に開設し相談体制を確立できたことが大きな要因」としている。

慈恵病院「行政の相談窓口増えた」

一方、2024年度の慈恵病院への相談件数は1421件で過去10年程の中では最も少なくなった。

これについて慈恵病院の蓮田真琴新生児相談室長はTKUの取材に対し「行政の相談窓口が増えたことが要因の一つ。しかし慈恵病院には誰にも伝えず未受診の妊娠や差し迫った状況での相談など、その内容は緊迫している。1人に対し長い期間関わるケースも多い」と述べた。

また、専門部会は4月23日に2024年度下半期の『ゆりかご』の運用に「明らかな違法性はなかった」としている。『ゆりかご』の2024年度の預け入れ件数などについては、5月28日に公表される見通しだ。

(テレビ熊本)

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