アメリカのトランプ大統領が9日に発動したばかりの相互関税を、中国以外は90日間停止すると発表したことを受け、アメリカ国内でも困惑や懸念の声が上がっています。

トランプ大統領は相互関税をめぐり、アメリカに対して報復措置をとらなかった国などには発動を90日間停止した一方、報復を発表した中国に対しては追加関税を125%に引き上げました。

FNNニューヨーク支局・弓削いく子支局長:
ニューヨークにあるスーパーの鮮魚売り場です。タイから輸入されたエビ、ギリシャから輸入されたヨーロッパスズキ、それから中国から輸入されたテラピアも並んでいます。

この店舗で売られていた中国産のテラピアの切り身は日本円で約680円ですが、関税の負担がそのまま値段に転嫁された場合、1530円以上になります。

突然の発表にスーパーの店長も困惑した様子です。

店長のオーランド・アポンテ氏:
それはニュースですね。どう解釈したらよいのか…。値段は上がる。どのようになるのか様子を見るしかない。

一方、5日に発動したほぼ全ての国と地域への一律10%の追加関税は維持され、身近な食料品にも影響を与える見通しです。

FNNニューヨーク支局・弓削いく子支局長:
スーパーの中でも比較的安い部類に入るバナナですが、こちらはコスタリカ産で10%の関税がかかります。

この店舗では価格は変えていないということですが、客からは米中の関税の応酬による、さらなる商品の値上げを懸念する声があがっています。

男性客:
トランプ氏がどこに向かっているのかがわからない。他国と貿易戦争を始めようとしているようだが、アメリカでは誰の利益にもならない。(関税の)負担は消費者が絶対背負わされる。我々に転嫁される。

女性客:
どれもこれも値段が上がるわ。多くの製品を輸入しているから。

さらなる値上げに備えて、こんな対策をとっている市民もいました。

別の女性客:
私とフィアンセは買いだめをして備えている。地下室に大きな冷凍庫があって、そこに色々詰め込んでね。彼はアイルランド産のウイスキーを大量に買い込んでいて、まるでバーのよう。

アメリカではトランプ政権が関税措置に関する情報を発信する度に、株式市場が激しく変動しています。

今後もトランプ氏の言動に、世界が振り回されることになりそうです。

フジテレビ
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国際取材部
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