大阪・関西万博の開幕まであと4日。
開幕後は旅行客がさらに増えるとみられる大阪の繁華街で、7日、ある取り組みが始まりました。
ミナミなどの盛り場を舞台にした、放置自転車の一斉撤去。
夜の街で、次々と自転車がトラックに積まれていきます。
中には鍵でガードパイプに巻き付けてある自転車もありましたが、容赦なく切断されました。
撤去された自転車の持ち主は「『ガクーン』という感じ。夜、撤去するんですね」「やばい、悔しい。アルバイトの給料、さようなら」と話しました。
なぜ大阪市は放置自転車の撤去に夜を選んだのでしょうか。
グリコの看板で知られるミナミ。
一見駐輪場のように見える場所ですが、止められている自転車には違法駐輪のタグが貼られています。
日中このエリアには45台の放置自転車が止められていましたが、夜に同じ場所を改めて取材すると、その数は約90台。2倍に増えています。
さらに、取材中にも続々と止める人が。
直撃すると「(Q.自転車止めたらダメな場所)はい、ありがとうございます」「(Q.なぜここに自転車を止めた)みんな止めてたんで」などと話しました。
大阪市によると、ミナミの放置自転車の数は多い時で日中5000台以上、夜には7000台以上になるといいます。
市では2023年、放置自転車を発見次第すぐに撤去する“リアルタイム撤去”を導入。
2024年10月からは自転車の返却料金を2500円から3500円に1000円値上げするなどの対策を行ってきました。
しかし、作業は日中だけで効果も限定的だったことから、夜間の撤去を開始したのです。
大阪有数の繁華街、キタとミナミで行われた夜間撤去。
作業が始まると慌てて自転車を取りに来る人も。
作業員:
自転車止めたらダメな場所なんですよ。申し訳ないけど駐輪場に入れるようにしてください。
このとき自転車を取りに来た男性は注意を受けただけですみましたが、わずか数分の差で間に合わなかった人もいました。
自転車を撤去された人は「最悪、新しく買うか、取りに行くか。多分取りにいく」と話しました。
この日、キタとミナミで撤去された放置自転車は合わせて72台。
夜間撤去の狙いについて、大阪市自転車撤去担当・氏原正晴課長は「来週から大阪・関西万博が始まるので、海外からいろんな方が来る。その時に少しでもきれいな街を、大阪を見てもらえたら」と話しました。
はたして効果は?
一夜明けたミナミを取材すると、午後2時の時点ですでに24台が放置されていました。
まさに、いたちごっこ。
問題は解決するのでしょうか。
大阪・関西万博の開幕は13日(日)です。